集英社インターナショナル<br> 新説 坂本龍馬(インターナショナル新書)

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集英社インターナショナル
新説 坂本龍馬(インターナショナル新書)

  • 著者名:町田明広【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 集英社(2019/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784797680454

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内容説明

あなたの知っている坂本龍馬、フィクションではありませんか? 龍馬の名は、司馬遼太郎の『竜馬がゆく』など伝記小説から広まったため、実像と離れた「伝説」が生まれ、今なおそれが通説となっている。歴史学者が丹念に史料を読み解くことでわかった龍馬の実像とは!? 龍馬は薩摩藩士? 薩長同盟に龍馬は無関係? 亀山社中はあったのか? 大政奉還は龍馬のアイディア? など、新知見が満載。「英雄フィルター」を外してみれば、龍馬の真価が見えてくる。――(本書「プロローグ」より)私は、明治維新史を専門としているが、その主な対象は幕末政治史であり、さらに絞り込めば、薩摩藩を中心に研究を行っている。その他にも、攘夷といった対外認識論(外国に対する考え方、世界観)にもアプローチしている。そうした中で、とくに前者の研究において、龍馬の存在はきわめて重要である。しかし、史料にあたっていくと通説と違った龍馬の動向が散見され、過大評価された部分も少なくないと感じる。一方で、過小評価されていた部分も発見した。これは、龍馬の価値を高めることとなるだろう。こうした新しい龍馬を提示したい。

目次

龍馬の足取り(略年譜)
プロローグ
第一章 龍馬の生い立ちと江戸修行―人格形成の秘密
第二章 安政期の政情と二度目の出府―剣術修行と千葉佐那
第三章 土佐勤王党と志士龍馬の誕生―武市半平太と間崎哲馬
第四章 久坂玄瑞と島津久光の率兵上京―第一次脱藩への影響
第五章 松平春嶽、勝海舟、大久保忠寛との邂逅―第一次脱藩前後の龍馬
第六章 神戸海軍操練所と第二次脱藩―龍馬の海軍構想とは
第七章 薩摩藩士・坂本龍馬の誕生―薩長融和周旋の開始
第八章 「西郷すっぽかし事件」と名義借り―龍馬の実像探索
第九章 龍馬の長州藩派遣と薩長融和の促進―交渉人・龍馬の凄み
第一〇章 盟友・近藤長次郎とユニオン号事件―亀山社中はなかった!
第一一章 「小松・木戸覚書」の成立と意義―薩長同盟伝説を撃つ
第一二章 寺田屋事件の実相とその後の政情―龍馬暗殺の伏線
第一三章 龍馬社中と土佐藩復帰―薩摩藩士・土佐藩士の二面性
第一四章 海援隊と薩土盟約―龍馬の功績とその実相
第一五章 大政奉還と龍馬暗殺―幕末史上の大事件は何が謎なのか?
エピローグ
参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

buchipanda3

81
龍馬と言えばやはり司馬さんの「竜馬がゆく」のイメージで私が抱く人物像もそれ。本作ではストイックなまでに史料に沿って実像を浮かび上がらせようとしたもの。だからと言って龍馬が作られたヒーローだという内容ではなく、むしろ重要な交渉でどれだけ必要とされた人物であったかを明確にしており、一部、立場上関りがなかった箇所を細部において指摘。小松帯刀や近藤長次郎などとの繋がりが丁寧に読み解かれていて興味深く読めた。龍馬が担った働きを読み、理想の物語の中ではない本当に実在したひとりの人物としての龍馬の存在が見れた気がした。2019/10/21

憲法記念日そっくりおじさん・寺9条

77
少年時代からの龍馬贔屓の私は、本書が出るひと月前から予約し、届いた時には嬉しくて抱きしめたくなった。気鋭の歴史学者による坂本龍馬の実像。司馬遼太郎(&武田鉄矢)による過大評価、そしてその反動で起こる過小評価(&トンデモ説)。それらをきちんと削ぎ落として、史料の中の本当の坂本龍馬を現出させて下さる。前著『薩長同盟論』の研究成果も盛り込んでくれてお得でもある。龍馬研究史の中で否定されていたものも、史料があれば再検討していて、著者の誠実がうかがえる。今後の龍馬研究は本書から出発するのだと思うと胸が一杯になった。2019/10/10

サケ太

31
坂本龍馬とは何者か。虚像に塗れた男の実像を捉えていく。しかし、それは坂本龍馬の評価を下げるものではない。龍馬の生涯や彼が成し遂げたことが書かれている。薩長同盟ならぬ薩土同盟とは。龍馬についてはやはり過大に評価されている部分もあるのかな、と思う箇所もいくつかあるが、彼の死について陰謀論を排した所はとても納得できた。2019/10/19

六点

25
さて、大多数の人と同じく、ぬこ田の「坂本龍馬」像は『竜馬がゆく』や『おーい!竜馬』だったりするわけである。この本では「海援隊」や「勝海舟との関係」が小説ほどは色濃くはなく、大政奉還への流れを後押しした薩土同盟や大条理プランなどの新史料をもとにした新たな坂本龍馬像を読者に見せてくれている。これまで、世間に流布していた坂本龍馬という男は姿を消し、新たに外交家・政治構想者として坂本龍馬の研究は進んでいくであろう。そして、よくわからない事情で命を落とした近藤長次郎に、もっと光が当たれば良いと思う。2020/02/18

Porco

22
坂本龍馬は慶応元年以降、薩摩藩士として活動していた。長州とのやり取りでも重要な役割を果たしたが、薩長同盟は龍馬によるものではない。そもそも薩長同盟は「小松・木戸覚書」と呼ぶほうが適当なもの。一方、龍馬が果たしたのは薩土盟約であって、その際に大政奉還につながる「大条理」を発案している。という内容。幕末の歴史は本を読むたびにちょっとずつ違っている。2020/05/07

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