障害マストゴーオン!

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障害マストゴーオン!

  • 著者名:福本千夏【著】
  • 価格 ¥1,430(本体¥1,300)
  • イースト・プレス(2019/12発売)
  • ポイント 13pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781618449

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内容説明

障害は続く。そして、生涯も続く……!
脳性まひ者が、就職して働いてみたら、いろんなことが見えてきた。

生まれてこの方、脳性まひ。健常者、そして社会とかかわる中で、見えてきたこと、見たくなかったこと、見つけた希望。
障害者と健常者の溝を埋める! 埋めなくても、溝を直視する! そのために、この経験を語ろう。
Cakes連載を書籍化。脳性まひ者・福本千夏が挑む、革命的エッセイ!

<はじめに>
「障害者」という言葉で、あなたは、どんなことをイメージする?
「そういえば、小学校の時のあの子」「いとこがダウン症で……」など思い浮かぶお顔がある人もいるだろう。えっ? 昨日観たドラマの主人公が障害者だった。今朝、白杖をついた方とすれちがった。と、考えると障害者も健常者同様、多種多様ですよね。ちなみに、私は脳性まひというやっかいで楽しい障害者です。あっ、脳性まひも一人一人違うことも明記しとかなきゃ。
健常者の夫は十二年前にこの世から去り、息子も一人立ちし、一人暮らしのおともに「うさぎと亀」を飼おうと思っている五十七歳っすわ。
年々体が動きにくくなっていく私は、科学の力で突然ピンシャン動けるようになる可能性も1パーセントぐらいはあるかもしれない。が、健常者がやっぱり羨ましいです。
だって、行きたい時に行きたいところに行ける。車だってバイクだって自転車にだって乗れる。ラーメンだってすすれるし、伝えたいことをスムーズに話せる。
人になにかをお願いせずに、思ったことができるじゃん。自分で選択して、どんなこともできるっていいな、いいなって。でも、ある時、近しい健常者にこんなことを言われた。
「福本さんって普通じゃないですか。フツーに結婚して、フツーに子ども産んで、フツーの人生ですよ。それに比べて私なんて……」
中学校の座談会で、三十半ばの先生からは「普通にお仕事もされていて、本まで出版されて、フツーの僕たちが夢見てもなかなかできないことを……もう望むことなんてないでしょ?」と。
「あるある。首の痛みを気にせず、毎日を過ごしたい」
「ほかには?」
と今度は生徒から質問が来る。
「水をごくごく飲みたい」
「えっ、水飲めないんですか」
「うん。のどの筋肉も落ちて来て、ごっくんってするのが大変でね。溺れそうになる」
と答える。すると、
「水泳も苦手?顔は洗えますか?」「のどは乾かないんですか?」「水の代わりにアイスクリームを食べれば?」
おっとっと、話があらぬ方向にいく。
で、その屈託ない中学生たちの前で、「あれっ、私の障害っていったいなんだろう?」って、一瞬頭が真っ白になっちゃいます。
障害者と呼ばれる人も健常者と言われる人にも本当にいろいろな人がいるのよね。一人一人価値観も違うし、大事にしたいものも違う。で、みんな病気もすれば、体や心が傷ついたりもする。でもでも、みんな、人の言葉や思いや人との出会いで元気になったりもする。そこは、障害者も健常者も関係ない? のかなーって思う。
そして、ひょっとして、今、こうして子どもたちと他愛ないことを話している。こんなふうに言葉を積み重ねていけば、互いのことも少しずつ理解できる?
障害者VS健常者の関係から抜け出せるかも?
この時、心の中でカーンとゴングが鳴った。

よしっ! その考えをより深めるために、私が六年間働いたり、いろいろな人と関わったりする中で感じたことを、書く!
これは、障害者と健常者の溝を埋めるための挑戦だ。行くぜ!

【目次】
はじめに
1 私、働いてました
2 私の一人暮らし
3 私、こんなふうに支えられています
4 親と子って、いろいろある
5 そしてSHOGAIは続く……
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆうぴょん

2
50歳を過ぎ、夫に先立たれ初めての就労ってだけでもハードルが高いというのに、著者は脳性麻痺。 通勤ですらヘルパーさん頼み。 働きたいけれど、働くにあたる障害が大きすぎる。 明るく乗り切っているように見える著者だけど、お互い(障害者も同僚である健常者も)葛藤しつつ、より良い方法を見いだせればいいのだけど。 働き方改革、いろんな意味でダイバーシティが進むことを望みつつ 2020/02/16

Yuka

2
脳性まひ当事者であり、旦那さん亡き後に50歳からの社外人経験や息子さんとの関係性、ヘルパーさんとの関わりなど。 根っからの明るさを感じつつも、言語障害があることでうまく伝わらないことに対しての諦めや葛藤。いろんなことを考える作品。 お涙頂戴でも説教くさい内容でもないのは、障害による苦しさは確かにあるけれど、障害のない人はない人でその人なりの苦労があることを彼女が知っているからなのかもしれない。 ダイバーシティや共生社会の答えはかかれていないけど、この方と一緒に答えを探して悩めたら楽しそうだなと思った。2020/01/05

しゅんぺい(笑)

1
脳性麻痺を持った方の話やけど、自分を大きくも小さくも見せない、この囚われてなさは素敵。話はあっちこっちいってるから読みやすくはないけど、一つの声としておもしろかった。2020/12/02

kanzu

0
共感できない…2020/08/16

ちっち

0
市立図書館2020/06/12

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