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内容説明
人に寄り添い、本の声を届ける…。子どもにも大人にも図書館は多様な場であり、図書館員はそこで本との出会いをつくる。公立図書館設立への原動力となった文庫活動、全国各地で続いている新たな動き、学校図書館の試みなどを、六〇年以上にわたって図書館に携わり、九〇歳を超えた今も発言を続ける著者が、未来に向けて語る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
227
認知症予防の見地からも、図書館を利用している人が増えている、という。「そうだ、そうだ」と頷きながら、読んでみた。この本は、日本の図書館の歴史を俯瞰的に描いていて、自分に関心のないところは、サラッと読み飛ばしながらの斜め読み。中国地方に新規に開設された図書館のモットー、「もちより、みつけ、わけあう広場」=「もみわ広場」に共感した。子供の成長を支え、高齢者の輝きを大事にする、「広場」的空間が求められている。2019/11/27
KAZOO
129
図書館の本当の役割がよくわかる本です。また今まであまり知ることのなかった司書という職業についてもよくわかりました。ただここに書かれているようなことを理解している人々はあまりいないように感じます。私もどちらかというと絶版した本、あるいは高価な本、児童書などを探して利用しているくらいです。小学校や中学校、高校の図書室のあり方も今後は考えていく必要があるのでしょう。2019/11/16
へくとぱすかる
83
図書館は何のためにあるのかを正しく知っている人は、まだ少ないだろう。わたし的には、心の成長・潤いのための、万人に開かれた非常に広い意味での教育が主旨だと思う。読書イコール文学でもないし、本や資料の保管だけではなく、みんなが使えるようにすることが図書館に求められている。本書には図書館の歴史、民間での活動が述べられているが、現在の状態になるまで、大変な苦労が背後にあったことを知った。それでも本来あるべき姿になるまでは、まだ課題が残されている。ハコモノでない、統計の数字で表すことのできない価値を知ってほしい。2019/09/29
佐島楓
78
司書志望の高校生に読んで欲しい本。柔らかい言葉で、図書館員がどんなことを考え、どんな業務を行い、どんなことを知っていなければいけないのかが綴られている。もちろん普段から図書館を利用している方々にもおすすめしたい。私もこの世界に片足を踏みこむまで知らなかったことがたくさんあった。ただ本を借りるだけではない世界なのだ。2019/06/22
けんとまん1007
58
図書館は、かなり利用するほうだと思う。平均して、週に1度。予約本を取りにいく。読んだのは、随時、返却ポストへ。そんな図書館を、改めて考える機会となった。やはり、運営する側からの内容は、とても学びが多いし、感謝の念にたえない。現在の図書館も、これまで携わってきた方々の思いや努力のおかげだし、今も、よりよい環境づくりのために、努力されている。読む形式も、電子図書など、いろいろあると思うが、やはり、本を手に取ることが一番だと思っている。2021/03/31