岩波新書<br> 日本のマクロ経済政策 未熟な民主政治の帰結

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岩波新書
日本のマクロ経済政策 未熟な民主政治の帰結

  • 著者名:熊倉正修
  • 価格 ¥924(本体¥840)
  • 岩波書店(2019/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004317807

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内容説明

日本の為替、金融、財政のマクロ経済政策全般を俯瞰し、独自のデータ分析で徹底的にその問題点を解明する。円安誘導による景気浮揚、財政ファイナンスである異次元緩和、政府の責任感の欠如で先送りされる財政再建、最終的にその帳尻合わせを強いられるのは国民だ。現実を直視せずして日本のマクロ経済政策の正常化は望めない。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

107
アベノミクスが何もない政策であるということをはっきり示してくれています。さまざまな資料を分析して金融政策財政政策など最近の日本経済の状況を小気味よく分析されています。国際経済学が専門なので他の国との皮革も示されていて参考になります。2019/07/17

skunk_c

34
著者の専門が国際経済学なのて、他の先進国の経済政策との比較による日本の経済政策の問題点指摘は鋭い。本書を読んで初めて知ったことは、外国為替特別会計なるものの存在と、そこから一般会計へ無制約に資金が流入することだ。簡単に言えば、外国為替特別会計で借金をして、一般会計にお金を流し込むわけで、増税せずに財政規模を拡大したい政府与党から見ればありがたい存在。しかしそれは財政赤字と通貨価値の下落を招くわけで、ハイパーインフレに繋がりかねない。こうしたある種「でたらめ」な財政がまかり通る理由が副題だというわけだ。2019/07/03

TATA

32
日銀の独立性、為替介入の是非、プライマリーバランス健全化の先送りへの懸念については筆者と考えは同じであるのだが、政府批判の舌鋒が先鋭化しすぎており、その分は差し引いて読んだほうがよいように思う。2020/08/09

Francis

15
2年間積読したが、安倍内閣が終わった後に読んだのでそれで良かったと思う。いわゆるアベノミクス政策で黒田東彦日本銀行相殺が行った異次元緩和政策を批判的に考察。財政破綻を防ぐためには中央銀行の独立性の確立と独立財政機関の設立、そして日本の民主主義の成熟が必要であることを説くが、著者は現時点での実現性には悲観的である。日本の民主主義の未成熟の原因の一つに第二次世界大戦後、敗戦の原因の追究が十分に行われず、おまけに朝鮮戦争特需で戦後日本の経済再建が始まったことを著者は指摘しているが、至言と言うべき。2021/05/29

kk

14
若かりし頃には誇りに思った日本経済のハイ・パフォーマンス。その実態が今、こんなことになっていたとは。誰も彼もやりたい放題で、破綻への路をまっしぐら、ってな感じか。情けなくて涙が出そうです。この為体の由って来るところ、恐らく為政者の無軌道ってことだけじゃなくて、僕ら一人ひとりが責を負うべきものなんでしょうね、知らぬことだったとは言いながら。みんな、ちゃんとしよう! 他方、著者の主張が全て当たっているのかどうか、判断するに足る知見がkkにはまだないので、この分野、まだまだ勉強せにゃなと思いました。2020/07/04

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