内容説明
人を殺した少年は、どうすれば、罪を償えるのか? 担任の中学女教師を刺殺してしまった幸雄は、児童自立支援施設を出た後、自らの罪を告白しながら、日本じゅうを歩いて周る「償いの旅」に出た。犯した「罪」の重さに値する「罰」とは何か? 暴力の連鎖を止め、残された者たちに、魂の再生が訪れる時は来るのか? 人を殺した少年の果てなきデスロード!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うさうさ
20
「13歳の黙示録」の続編。13歳で担任の先生を刺殺し、児童支援施設に入った少年が復帰してきてからの話。 少年が考える償いと、被害者遺族が求める償い。 本の内容は著者が考えた償いだろうけど、こういう答えしか出しようがないのだろうと思うが、綺麗にまとまった感が残る。 少年だろうが大人であろうが、人を殺すという取り返しのつかない事をして、さらにまだ自分は生きていくということじたいあり得ない。 殺人は償えるものではないと思う。 2019/11/02
みどり
3
十五歳の黙示録の続編ということで、読んだ。 教護院を出て、一旦大切にされていたことに、自分で納得がいかなかったんだな、というのはわかる。大人ではなく、子供でもない、誰にも愛されたことがないと信じていた主人公だけれど、周りには彼を愛してくれる「まともな」大人だっていたことに気づいたのではないか。 人殺しはなぜいけないのかを教えられない大人たちに、自分なりに解答を探していた旅だったのだな~。2022/03/04
アルゴン
1
★★★★ 自分の犯した罪と向き合った上で、世の中のために強く生きていくことが犯罪者の唯一の道ではないか、と私も思います。最後がそれなりに良い終わり方。2013/02/13
さっちゃん
0
「13歳の黙示録」の続編。小学生の少年が出てきたり、記者同士の感情が書かれていたり、これは物語に必要かな?と思ってしまった。幸雄だけにもっとスポットを当ててほしかった。13歳の黙示録の内容が良かっただけに残念。 2011/05/21
朱音
0
少年犯罪とテーマは重いが、償いと癒しと再生の物語。宗田氏は「ぼくらの…」シリーズからもっと軽いユーモア小説的な位置で捉えていたのでこういうのは新鮮でよかった。2008/08/11
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