内容説明
夏休みのたびに私は母の実家がある田舎へ行った。新鮮な山海の料理に、いとこたちとの交流。楽しい夏の日々だ。あの部屋にさえ入らなければ…。(「死面」)理恵が合コンで出会い、付き合ったのは、容姿はよいがかなり内気な男。次第に薄気味悪い行動を取り始め、理恵は別れようとするのだが…(「殺人休暇」)。平凡な日常の向かう先が、“シアワセ”とは限らない。ミステリの偉才が紡ぎだす、小説的な企みに満ちた驚愕の結末。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やっさん
202
★★★★ 表題どおり〝バッドエンド〟を揃えた短篇集。3~4頁で終わる作品もあり、ミステリの名手の意外な一面を見ることができた。特異な設定に引き込む文才は、どこか星新一さんを感じる。2018/11/09
ナルピーチ
176
歌野先生が描く11編の短編集となっており、1編ずつがそんなに長くない物語なのでサラッと読める。表題の『ハッピーエンドにさよならを』の通り、全ての物語の結末はバッドエンドであり、読後感の良いものではない。お勧めは「おねえちゃん」「玉川上死」「尊厳、死」特に最終話の「尊厳、死」はラストにどんでん返しが待ち受けていて面白かった。こういうテイストが好きな読者には程よい一冊なのかなと思う。2020/12/24
馨
148
短編集。どれもイヤミスで軽いどんでん返しもあり楽しめました。どの作品も同じぐらい良かったので逆に気に入った作品がないという不思議な本でした。2018/11/01
takaC
133
世間ではバッドエンドも根強い需要があるからな。かく言う自分も巧いバッドエンドは好き。2016/08/07
勇波
112
歌野作品は大好きな作品がとっても多いけど、肩透かしを喰らう作品も少なからずあると思います。今作は短編集なので軽い気持ちで手に取ったのですが、良い意味で裏切られました。音楽アルバムで言えば「捨て曲なし」と言ったところでしょうか。。各物語から繰り出されるジャブにいちいちダウンを奪われ続けるって感じです。(←わかりにくい…)ともかく超オススメ短編集であることは間違いありませぬ★2016/02/29