内容説明
あなたの不思議な体験、買います――
これは市中で選り集めた、限りなく生に近い恐怖の実録である……
黒木あるじが地元・山形県でおこなったイベント「怪談売買所」。
集まったのは、リアルな日常の影から不意に姿を現したかのような怪談の数々。
大雨の夜、道に佇む母子を父親は車の荷台に乗せたが…「関山峠」、
山道で出逢った異形が放つ奇妙な声「嗤い猿」、
絶対に書いてはいけないと代々言われ続けてきた〈文字〉。それを記すと…「喪字」、
人が亡くなる前に訪れるのモノとは…とある地区の伝承を書き留めた連作「シンがきた」など73話を収録。
誰もが不思議な話や奇妙な体験談を持っている。もちろん、あなたも――。
解説/宇津呂鹿太郎
著者について
『怪談実話 震』で単著デビュー。
「無惨百物語」シリーズ、『黒木魔奇録』『怪談売買録 拝み猫』『怪談実話傑作選 弔』『怪談実話 終』など。
共著には「FKB饗宴」「怪談五色」「ふたり怪談」「瞬殺怪談」「怪談四十九夜」各シリーズなど。
小田イ輔やムラシタショウイチなど新たな書き手の発掘にも精力的だ。
近著に小説『掃除屋 プロレス始末伝』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
233
黒木あるじさんの故郷・山形県での「怪談売買所」聞き取りライブは全73編と軽い話が多いですがお買い得で、あなたの気に入る話が見つかるかもしれませんよ。今回は罪のない動物の話他3題紹介しますね。『嗤い猿』山形と宮城の県境にある二口峠を朝から自転車で走っていると、うぃひ、うぃひ…と明石家さんまさんの笑い声のような奇妙な声がする。見上げると一匹の猿が太い枝の上からこちらを覗き込んで、うぃひ、うぃひと嗤っていた。その猿は両目が潰れており,かつお節に似た木の仏像を齧っていた。怖くなり逃げたが違う場所で再会したという。2022/04/24
HANA
63
実話怪談集。著者の怪談は構成とか文体とかに鏤骨の後が見えてそれが他の実話怪談とは一線を画しているのだが、本書はライブ感を出そうとしているのが特徴的。大学祭で集めた話という事で、地元山形の話が中心となっているのも地域性が出て面白い。「関山峠」とか「西川町奇譚」とか地元密着型だし、イメージが強烈すぎる表題作を中心とした動物怪談も他にはあまり見ない話だし。特に興味深いのは一連の「シンがきた」シリーズ。『遠野物語』のオマクを思わせるような話であるが、何となく両者とも民俗の心性に深く関わる気がする。いや面白かった。2019/12/23
ネムコ
28
気分転換には怪談。黒木さんの怪談売買所。玉石混淆ではあるものの、思ったより良い話が揃っているのは、さすがの人徳か。改めて、黒木さんの本にはハズレがないなぁ、と。2020/04/25
ザ ネ
27
100円で怪談を売買するという何とも画期的なシステム!(笑)まさに粗削りだからこその怖さがあって良い。一般人がいきなり異界に誘われるというのが、明日は我が身的な怖さもある。電子レンジが夜勝手に回ってたら地味に怖いわぁ〜電気代かかりそうで!!この怪談売買所シリーズ面白いから、前作も読もう(´∀`*)やっぱ黒木さん読みやすいし、面白い。2020/03/25
さりぃ
21
#怪談売買録 嗤い猿 #黒木あるじ 本当の実話怪談、とでもいうのか粒揃いで、 お話がこそっと繋がっていた! と知ったときの驚愕具合ったら。なかなか秀作でした。 『シャツ持ってきて』『イチのくつ』『霧ゴム』 『五階』『あげる』『五人目』 『逆走』『嗤い猿』『睨み猫』 『うしのおもいで』『石イボ』『のぞく』 『来夢』『木視』 豊作!2020/01/09
-
- 電子書籍
- 村人ですが何か?【タテスク】 Chap…
-
- 電子書籍
- アイカギ【単話】(154) モバMAN
-
- 電子書籍
- 進め!オカルト研究部 分冊版 16 w…
-
- 電子書籍
- シンデレラになった家政婦【分冊】 4巻…
-
- 電子書籍
- ゼロからスタートにほんご会話