集英社オレンジ文庫 思い出とひきかえに、君を

著者名：柴野理奈子【著】/縞あさと【イラストレーター】

集英社（2019/12発売）

• ISBN：9784086802888

内容説明

高１のひまりは、片想い中の陸斗に告白することに。けれど、事故にあった陸斗は、約束の時間にあらわれなかった。その日、ひまりは不思議なお店に迷いこむ。「思い出とひきかえに願いを１つ叶えてくれる」という。陸斗を助けるため、彼との思い出を売るひまり。しかし、２人にとって大事な出来事の記憶まで失い、陸斗とすれちがい…!?　せつなくて泣ける恋物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

約束の場所に現れなかった片想い中の陸斗が事故に遭ったことを知った高1のひまり。思い出とひきかえに願いを1つ叶えてくれる不思議なお店に迷いこんだ彼女が、陸斗を助けるため彼との大切な思い出を手放してゆく物語。中学時代に知り合い、電車の中でたまに言葉を交わす中で少しずつ積み重ねてきた彼への想い。彼が直面する困難から救おうとしたことで、かえってすれ違ってしまう切ない展開でしたけど、そんな彼女の想いを神様も見守ってくれてたんでしょうかね。一緒に新たな思い出を紡いでいってほしいと二人を応援したくなるそんな物語でした。

2020/01/02

[ミヤビ]

高一のひまりは片想い中の陸斗に告白しようとしたが、彼は事故にあってしまった。思い出とひきかえに願いを1つ叶えてくれるお店を見つけ、陸斗を助けるために思い出を売り、次第にそれはエスカレートしていく。 思い出を売るためにはそれにまつわる物が必要となるので、陸斗との思い出にまつわる物が中心となって物語は続いていく。片想い中って周りから見たらどうでもいい紙切れが本人からしたら宝物になるから、共感。切ないけど温かみがあった。ラストもすごく好き。それとあとがきで泣かされると思ってなかった。こんな泣けるあとがき初めて。

2021/08/30

[Peter Rabbit@ポプちゃん大好きです]

《あらすじ・感想》ひまりの片思いの人・陸斗。陸斗に告白しようとした朝。陸斗は交通事故に遭い、意識不明の重体になる。ひまりはショックでいつの間に知らない街に来ていた。そこで見つけた不思議なお店。そこは思い出を代償に願いを叶えてくれるお店だったのだ。ただしその願いは叶えたい願いに関係する思い出を売らないといけないのだった。陸斗との思い出をなくしひまりは陸斗とすれ違っていって＿＿。とても良い話だった。思い出を無くすなんて私だったら絶対無理だけど陸斗を助けようと自分を犠牲にしている姿が苦しかった。是非一度。

2022/10/23

[陸抗]

ひまりが片思い中の相手、陸斗が事故で大怪我をしてしまう。彼を助けるため、ひまりは思い出と引き換えに願いを叶えてくれるお店に、陸斗との思い出を渡してしまう。ひまりが思い出を渡す度に、陸斗と気持ちがすれ違ってしまい、何度、もうやめたらと思ったことか。お店の存在に気がついた陸斗も、ひまりが何を失くしたのか知るために、思い出を手放したのかな。これから新たな思い出を作っていく為にも、互いに大切な人のため思い出を差し出すのは、これで最後にして欲しいな。買い取った思い出の行方も気になるので、続いて欲しい。

2021/03/25

[まるぼろ]

高校一年生の水沢ひまりは片思い中の相川陸人に告白しようと決意するも当日に陸人が事故で入院してしまう。面会も出来ず焦燥していたひまりはふとある不思議な店を見つけ…と言うお話です。ひまりが陸人の為に大切な思い出を売っていく度に陸人とのすれ違いも大きくなって…と言う展開に読んでいて辛さも覚えましたが、そのひまりの献身が思わぬ形から陸人にも伝わって、最後は幸せな形で読み終えられて良かったなと思えました。色々と大切な思い出を失ったひまりですが、陸人とのこれからで取り戻して欲しいと思えました。次回作にも期待です。

2020/06/01