内容説明
わたくし宮部みゆきの初めての小説以外の本であります――。著者初の散文集は、江戸を、日本を「歩く」ことから始まった。赤穂浪士討ち入り後の道のり。市中引廻しのルート。そして、島流しの行き着く先。担当編集とともに歩き、食べ、語り尽くした珍道中。ひとたび読み始めれば、あなたもきっと、ミヤベと「町」を歩いてみたくなる。『平成お徒歩日記』に書き下ろし一編を加えた新装完全版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
110
平成10年に刊行された『平成お徒歩日記』に令和のお徒歩を加えた増補改訂版。やはりお徒歩は自身の足で動いてこそ面白いと再認識した。宮部氏が自身の生まれ育った町に対して無知だったのは生まれた時から当たり前に存在している町ゆえに調べるという発想すらなかったからだろう。私も自分の生まれ故郷よりも仕事の都合で住んだそれぞれの土地に興味を持った。それは自分が他所者であることで少しでもその土地のことを知って地元民として溶け込みたいと云う願望があるのかもしれない。今回再読してこんな新たな発見があったのは収穫だった。2024/11/26
のぶ
86
エッセイ集というか、紀行文のようなものを集めたお徒歩(おかち)の作品集。宮部さんの小説以外の本は珍しいが、本人も初の散文集と書いているので、そうなのだろう。歩くのは、赤穂浪士討ち入り後の道のりや市中引廻しのルート。島流しの行き着く先等。初版が宮部さんのデビュー10年目あたりらしいので、約20年前。でも歴史の舞台なので、文章に古さは感じない。宮部さんの写真も載っているが、今とあまり変わっていない。スタッフと数人で行った企画のようで、とても楽しんでいるのが感じ取れた。時代小説の原点が垣間見えた気がした。2020/01/09
優希
57
宮部さんと一緒に平成の江戸をぶらぶらしている気がしてきます。何より宮部さんが可愛い。2022/08/26
けやき
51
以前読んだ「平成お徒歩日記」に令和に入ってから行った番外編を加えたもの。他の話も再読。コロナも落ち着いてきた春の陽気に江戸の雰囲気を感じながら東京の街を歩いてみるのもいいかもなと思える1冊でした。2023/03/24
sofia
51
『平成お徒歩日記』の新装完全版。そちらを私は読んでいなかった。こういう散策はしてみたいなあ。おもしろそう。「市中引廻し」の言葉しか知らなかったけど、実際に歩くのは興味あり。2020/05/24