集英社文庫<br> テロリストの処方

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集英社文庫
テロリストの処方

  • 著者名:久坂部羊【著】
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • 集英社(2019/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087440331

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内容説明

医療費の高騰で病院に行けなくなる人が急増した日本。医療勝ち組と負け組に患者が二分され、同じく医師も高額な医療で破格の収入を得る勝ち組と、経営難に陥る負け組とに二極化。そんな中、勝ち組医師を狙ったテロが連続して発生する。現場には「豚ニ死ヲ」の言葉が残されていた。若くして全日本医師機構の総裁となった狩野のもとにも脅迫状が届く。医事評論家の浜川は、狩野に依頼され、テロへの関与が疑われる医師・塙の行方を探すことに。三人は医大時代の同級生だったのだが――。迫りくる日本の医療危機を予見する、戦慄の医療ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アッシュ姉

89
患者だけでなく医師にも広がる日本の医療格差。セレブ向けの高額医療で高収入を得る勝ち組とアルバイトを掛け持ちしても生活がままならない負け組医師。勝ち組医師を狙ったテロが相次ぐなか、医療破綻に危機感を抱いた全日本医師機構総裁がネオ医療構想を派手に展開していく。医師免許の更新制、年俸制、無駄な医療の撤廃、患者説明の徹底など、取り入れて欲しい改革もあったが、医療革命と称してどんどん迷走していく。ミステリに寄りすぎて、久坂部さんにしてはいまひとつ。もっと過激な衝撃が欲しい。著者16冊目。次作に期待。2020/01/24

初美マリン

87
なんとも不気味な小説。医療界の一部ではあるのかもしれないがあまり医療の格差などはピンとこない。しかしなんとも不気味な本だった。2024/01/08

りゅう☆

73
勝ち組医師らが「豚ニ死ヲ」という言葉が残されテロに遭う。勝ち組負け組、医師患者。極端すぎる差のあるこんな社会って本当に怖い。日本の医療を改革する『ネオ医療構想』。良いことを言ってるようで、結局は反組織の医師を除外するに力を注いでるに過ぎない。個別指導なんて腹立つ。医事評論家浜川の大学時代の友人がホームレスとなり死体で発見。本当に死んだのは彼なのか?行方不明の別の友人は今どこに?テロ首謀者は一体誰なのか?医療問題を掲げながら、殺人テロのサスペンスを盛り込んでくるのはさすが。だがこんな医療社会に嫌悪感が募る。2022/04/09

ちゃとら

67
物語は、勝ち組医師と負け組医師。医療界の派閥の中で繰り広げられるテロ。医療点数を上げる為には、体に負担がかかる処方を出したり、数々の必要のない検査が繰り広げられている。そして国民みな保険で軽症患者が押し寄せる大学病院や癌センター。現実を前に、久坂部さんの医師ならではの心の叫びのような作品だった。2021/06/03

RIN

30
医療改革がテーマ。社会保障費としての医療費高騰で医師も患者も二極分化した現状の解決策に極論と極論がぶつかる、という話。主張の手法はどちらもドラスティック過ぎてその点は現実味がないが、どちらの言い分もある意味「正論」で傾聴に値する。このあたりは久坂部さんらしい。現実を鑑みると、実現不可能と思いながらも、両者これくらいのことをしなければ何も変わらないし、変わらず現状維持が最も悪手と思われる。そして何より戦慄したのは、一方の陣営の世論誘導のための言論統制方法。今まさに目の前で起こっていることではないか…。2021/03/04

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