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内容説明
「お金儲けは悪いことですか?」
2006年6月、ライブドア事件に絡みインサイダー取引を行った容疑で東京地検に逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。逮捕間際に言ったその言葉が印象的だった。以後、表舞台から姿を消したが近年株式取引の世界に復帰。その動向が注目されている。
本書は、その村上氏の初の諸著であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。
灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何をしたのか。事件となったニッポン放送株買い占めにおいて、いったい何があったのか。彼の投資哲学、日本企業への見方はどうなのか。今後何をしようとしているのか。
嫌われ者を自認する村上氏が、その実像と思いを自らペンをとって書き上げた話題作。
解説・池上彰
※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sakai
25
自分が投資について無知すぎるので、ただただわかりやすく興味深かった。著者の掲げる正義を受け入れるだけの器が日本企業にはなかったのかもしれないというのは残念なことだし、今後変わってくれば良いな、と。興味は湧いたがまだまだ自分にとってはなんとなく他人事。2020/01/11
鮫島英一
19
村上ファンドで有名な村上世彰氏が自らの半生や考えを語った書籍。個人投資家の一人である身としては、多少なりともその考え方に共感できる。彼は自己主張が強すぎて、自分の考え方を曲げることができなかったために苦労を強いられたと思う。村上 世彰氏の人生は江副浩正氏とどこか似ている。 共に東大卒という経歴が似た思考を生み出すのだろうか? 惜しむべくは折角ファンド立ち上げ時に会合する機会があったのに、江副浩正氏の体験と挫折の意味が、後輩である村上氏に伝わらなかった点。これもまた人生なのか……2024/02/04
たらお
18
池上彰さんの著作で、村上世彰の逮捕劇は金儲け主義を良しとしない大衆の意を組んだ国策捜査なんじゃないかというのを読み、手に取る次第。まあ、捜査の真偽は図りかねるが、投資家サイドによる日本企業に求める姿というものは伝わる。つまり、上場するのであれば内部留保せずに投資に回すか、株主還元に努めよという主張だ。【ROEが8%を上回る水準を目指すべし】上げる方法は、自己資本を減らすか、利益を上げるか。【PBR・・・株価が割安か割高か。目安は1倍以上】2021/08/05
友蔵
15
彼は人一倍頭が良くて、しかも真っ直ぐすぎる位に真っ直ぐだから、言ってることを周りが理解できなくてバッシングされてしまったのだな。「お金を儲けることはそんなに悪いことですか」と言っている姿が目に焼き付いているけど、こういうことだったのかとやっと納得。2020/08/30
ひでき
12
村上ファンドがメディアに登場したのは私が中学生のころだったと記憶している。若く無知であった私は、当時のテレビが「金の亡者」として報じているのをそのまま受け止めてしまっていたが、本書を読み、当時は時代が村上氏に追い付いていなかったのだと感じた。コーポレート・ガバナンス、企業の内部留保の問題にいち早く気付き、それを改善させるべく奮闘されていたことが分かった。一向にデフレから脱却できない日本社会。日本の経営者達は何を思って会社を経営しているのか。人間誰しも保身に走ってしまうもの。だからこそのガバナンスか。2020/09/12