講談社文庫<br> 一路

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講談社文庫
一路

  • 著者名:丹羽文雄【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2019/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061310162

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内容説明

人間の業とは、かくも深く重いものなのか? 愛欲に身を任せ、夫を裏切りつづけた加那子の背信の行為は、21年の歳月を経て、どんな報いを受けるのか? 過ちのすえ生み落とした娘は、次男・聡との〈近親相姦〉の責めを負ってみずからの命を断つことに……。愛欲の深淵にひそむ人間の宿業と救いを、豊饒な筆に描く、丹羽文学の真髄を示す長編傑作。読売文学賞受賞作品。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

y_e_d

1
800Pを超える大作。水商売から転じ、檀家に支えられ経済的に不足の無い寺の僧侶の妻となる主人公。しかし、夫の長期不在中に派遣されてきた若い僧と通じてできた娘を、檀家の有力者の子とし、スキャンダルを闇に葬る。これでも懲りずに若い僧との関係を続ける。身に沁みて後悔したはずなのに断ち切ることができない。夫の表面上の理解、上手くいった工作。しかし、何も知らない息子がその娘と通じて懐妊、そしてその子も・・・。自らの宿業に叩きのめされる主人公だが、そこまで至ってようやく開眼とは? 救われる資格は無いように思った。2018/08/09

なおぱんだ

0
内容は著者の作品に共通する仏教の教えを背景にした人間の欲と本能を描いた重厚な作品です。と言っても決して難解なところはなく、中弛みすることなく読み切ることができました。主人公は仏の教えについて理解を深めようと努力しますが、その反面倫理に背く行動をとりながら、それを自分に都合よく解釈して正当化します。この作品は“人間の業”について深く考えさせられる作品でした。2011/03/11

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