内容説明
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●本書の概要
第1章「無限のキャンバス」では、数学が苦手な女の子「ノナちゃん」が登場し、高校生の「僕」との対話が始まります。
第2章「直線の限りを尽くして」では、座標平面上に描かれた直線を題材にして「数学を理解すること」を学びます。
第3章「暗記と理解」では、数学を学ぶときの「暗記」について、「僕」と後輩のテトラちゃんが対話をします。勉強は覚えることなんだろうか、覚えないですむことはないんだろうか。絶対に覚えなくてはいけないことはなんだろうか。数学をめぐって多様な対話がなされます。
第4章「何がわからないか、わかりません」では、数学がわからなくて途方にくれたときの気持ちが話題になります。何もかもわからない。何がわからないかもわからない。そんなどうしようもない気持ちになったとき、どうやって数学を学んだらいいのでしょうか。そのためのちょっとしたヒントと発想法が語られます。
第5章「教える・学ぶ・考える」では、数学という科目に留まらず、考えるということの意味について語られます。考える上で大事なこと、学校で、あるいは学校を越えて生涯学んでいくために大切なことを探っていきます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キリル
17
帯に激しく同意する本。今回は数学に関するネタはおまけで、メインはタイトルの通り対話を通した学びについてだと思います。分からないことが何か分からないからとりあえず暗記で乗り切るというノナの姿勢に痛く共感。でもそんなうわべで乗り切ったところで、その本質をしっかり見てあげられなかったのでは友達になれなかったのは当然とも反省しました。分からなくてもわずかにでも自分の言葉として表現することが理解と友達になるための第一歩なのだと思いました。自分の中に先生と生徒の二人がいるという考え方はいいなと思いました。2020/03/01
hippos
16
数学が嫌いになるきっかけは先生、親・友だちなどとにかく些細な一言からはじまるのかもしれないな。ノナにイラッとすることがあった僕も気をつけないといけない。 「理解」と「納得」。大事だと思いました。2019/12/08
tellme0112
10
あー、おもしろかったなー。数学の話をしているのか哲学の話をしているのか。数学は考える学問、と言っていた本を思い出した。心が震えた。2020/05/12
hydrangea
9
数学が分からない、ということに留まらず、学ぶとはどういうことか。教えるとはどういうことか、学習全般・仕事にも通じる一冊だと思う。社会に出て気付くのは、学び方、を学んでいないとそれなりに支障が出てくる、ということなのかな。知識の多い少ないは別。2020/05/05
ゆうゆう
9
分からないときって、ノナのように何が分からないのか分からない。それを対話の中で解いていく様子は、自分も参加しているように感じられる。物語を通して、成長したのはノナだけではなく僕もだと思う。先生の仕事は答えを教えることではなく、理解を助けること。忘れずにいたい。2020/02/02