内容説明
武器運び、馬の世話、土木作業、衣類・食糧運び、戦が始まれば最前線で敵と向き合い、集団で槍、鉄砲を扱う。そんな戦場の現場人の役割ごとの声を収録し、多くの武士が戦場心得の参考とした『雑兵物語』。江戸前期に成立し後期の1846年に刊行され一般にも流布した古典を、わかりやすい現代語訳とリアルな挿画で送る。現在の最前線ではたらく人々も切実に読める一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
SAT(M)
10
原著は江戸時代前期に書かれた絵巻物。内容としては、新人雑兵のための教則本のような内容で、熟練の先輩雑兵たちが経験を交えつつ戦場でのノウハウを語る形式になっています。死にものぐるいの修羅場をくぐり抜けてきたはずの人たちなのに、挿絵の朴訥な足軽フェイスとあいまって、その言動にはユルさを感じます。戦場でうっかり居眠りしたすきに槍の飾りを盗まれたりとか、ネズミを捕まえて遊んでいる途中ネズミが逃げ出し、その騒ぎで全軍がパニックになったりとか…。成立したのが「戦国も遠くになりにけり」な時代だった故のユルさなのか…?2019/10/11
tama
7
図書館本 差別の日本史に参考で出てたから これは面白い!現代語訳されてるので理解しやすい。で、どの程度現代文と違うのか知りたかったが比較する原文が見られなかった。絵もいい。要するに下っ端兵隊のノウハウ本ですな。疲労した時は梅干を「見ろ。決して舐めるな」。馬を休めるときは左右の前足を一つに拘束しておけ。夜戦のときは人も口に木を入れ齧って余計な声を出さないようにする。戦いの間は飢饉だと思って食えるものは何でも拾っておけ←これ旧陸軍の考え方じゃないのか?雑兵は生涯一人の殿に仕えるのではなく何度も主を変えた!2022/07/18
ikedama99
7
この本で描かれた内容が、江戸時代を超え昭和初期の軍人の考え方までいっているとしたら、それは悲劇だと思う。西欧の常備軍の考え方は、ついぞ日本には根付かなかったと思う。戦国期からの「その他大勢」の雑兵たちはこうだったのかと思うとただただ唖然とする。最初の説明の文章で、クラウゼヴィッツの「戦争論」が取り上げられる。その描く世界とこの本のえがく世界のギャップに驚く。絵はわかりやすい。2019/08/23
みさと
6
雑兵は武士ではない。使い捨ての戦場の最下層の身分だ。武器や具足は支給品、武士の武器や身の回り品を担がされ、壕を掘り、馬を世話して輜重を担い、戦が始まれば最前線で敵と向き合い、弾が切れたら白兵となり、敵の首を斬る。「いくさの陣中はほんとうに飢饉」(P90)と言うほど給与は悪く、敵地での略奪は当たり前。逃げた相手方が食糧を埋めた穴を嗅ぎ当て、味方からもかっぱらう。ちょっと待て、やってること全て日本軍と同じじゃないか。違う、江戸初期の行動様式そっくりそのままで戦争していたのが帝国日本軍だったのだ。この衝撃!2019/08/28
かずい
4
江戸初期に書かれた雑兵たちの戦の心得本。今のマニュアル本ほど整理はされていないが、上下あり下巻は生々しい。「首を取りに行く」というというが本当にすぐ斬首するんだなという印象。首を連ねると重いから鼻を輪にして持ち運ぶとか。戦場跡など歩いたら一面首のない遺体だらけだったろうと思う。書いた人も戦前は首を取ることに躊躇していたが、始まったら取りまくっていたと記述があるが、戦争とはこういうものなんだろうね。2025/08/03
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