それ以上でも、それ以下でもない

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それ以上でも、それ以下でもない

  • 著者名:折輝真透【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 早川書房(2019/11発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152098955

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内容説明

【第9回アガサ・クリスティー賞受賞作】1944年4月、仏・中西部の小さな村サン=トルワンで、レジスタンスが殺された。住民が混乱する事を恐れたステファン神父は男の遺体を隠し、事件の隠蔽をはかる。だが既にナチスの脅威が隣町まで迫っていた……善と悪の間で孤独に葛藤する神父の祈りの結末とは。ジャンプホラー小説大賞金賞とW受賞の大型新人登場!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

310
折輝真透は初読。本書は第9回アガサ・クリスティ賞を受賞。ミステリーの要素がなくはないし、それがプロット展開の軸になってはいるのだが、内容的にはけっしてそのことが中核をなすわけではない。それどころか、見方によっては、むしろ夾雑物に見えなくもない。大戦末期の1944年、フランス中南部の村サン=トルワンを舞台にステファン神父の行動と葛藤を中心に語られてゆく。ナチスの圧倒的な暴力といった不条理を前にした人々の行動が、いわば読みどころなのだが、神父、フレデリック、マリアンヌあたりはともかく、他の人物たちの⇒2024/02/25

Koichiro Minematsu

59
アガサ・クリスティー賞受賞作ということで読みました。犯人が最後まで分からないというより、犯人隠蔽というストーリーは、舞台が第二次世界大戦末のフランス、ドイツ軍と小さな村、村人の生活と神父という設定がミステリー性を際立たせている。意外とのめり込んでいた自分に驚きました。2021/08/01

rosetta

36
★★★★✮第9回アガサ・クリスティ賞。『マーチングウィズゾンビーズ』はイタタな厨二病だったけど、これは非常に端正な歴史小説で賞に依って書き分けが出来るなんてすっかり作者を見直した。2次大戦中ドイツ占領下のフランスの田舎の村。教会の墓守の家に匿われていたレジスタンスが殺された事を発端に長閑な暮らしと人間関係が崩れていく。村人だけでなく人口の半分を避難民が占める状態でSSに侵攻される。ミステリとして謎解きや推理を期待すると肩透かし食うだろうが銃後の人々を描いた小説として読めば大きな満足感が得られる。2020/01/30

あっちゃん

33
アガサクリスティ賞!ナチス占領下のフランスの田舎町、匿っていたレジスタンスが何者かによって殺されていた!私の苦手分野の設定、地味な年寄り神父が主人公…が、コレがなかなか読ませる(笑)全体を言えば、戦争に翻弄される村人とオロオロするばかりの主人公なのだけど、それが結構深い( ̄▽ ̄)2020/01/22

九月猫

29
第9回アガサ・クリスティ賞大賞受賞作。今回はダブルで受賞作が出て「白」と「黒」ということだけれど、こちらが“黒”いほう? しかし毎回、クリスティ賞は“広義なミステリ”すぎるというか傾向がバラバラすぎる気が…… 今作は読んでいる途中で「わたし、いったい何を読んでいるんだろう?」と。 ナチス占領下のフランスの小さな村が舞台。主人公の神父さまの苦悩も相まって、重い。戦時下の人間関係や心理……ミステリではない形で出会って読んでみたかったと思ったけれど、ミステリじゃなかったら手に取らなかったか。ううむ。2020/06/24

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