内容説明
人類は今、新たな進化の段階に突入している。
産業革命は社会を変えたが、IT革命は人間の心を変えようとしているのだ。
共に働き、共に生活していた「家族」が、都市化や産業化、核家族化を経て崩壊しようとしていた時、IT革命が起きた。
IT革命は社会システムを大きく変えたが、もっとも重要な変化は、人間の脳神経回路を組み替え、愛着システムを変容させたことだ。
通常なら数万年、数十万年のスケールで起きる生物学的な変化が、数十年の間に進行している。
27年ほど前、医療少年院で一人の回避型愛着を示す若者に出会った。
今や、そうした人々は普通の家庭や社会にあふれている。
急激に増えつつある「回避型人類」の特徴は
・単独生活が基本
・セックスをしない
・子育てに関心がない
・集団への嫌悪と恐怖
・人より物、物より情報を好む
・ルールと統制を重視する
・キレると何をするかわからない
・蔓延する依存症と刺激中毒
・突然襲ってくる自殺衝動
・死を悲しまない
そんな「回避型人類」の数が、共感型の旧人類を上回るとき、一体何が起きるのか。
最前線の臨床医が最先端の進化論と出会って辿り着いた、驚愕の未来レポート。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
19
原因がやや短絡的のように感じましたが、回避性愛着型人間の特性と増えていく理由のイメージとSF的な話は別として将来への不安はわかりました。2024/12/10
ヒュンフ
12
リバタリアンの個人性が近いと思い読んだ。愛着が希薄な回避型、愛着が濃密な共感型の両者を解説している。根拠に乏しかったがコロナ禍で水を得たように生きやすくなってる人と孤独に耐えきれず辛い人が分かれているようで最近は可視化できてる。生育環境での親との関係で決まるらしい。濃いから愛着、薄いから回避という単純な分け方がされていたが、濃いかったから回避型の想定がなされていなかった。「しがらみの負」を意識する機会が多くなるほど回避、自立型に傾くんじゃ。関係よりも速度、効率、利益を指向すればそりゃビジネスでは勝利するわ2021/10/23
ふたば
8
情報社会に置いて、回避型の人々は勝ち組になり、共感型の人々は無用の存在となる可能性があると示唆する。回避型の特徴を挙げ、彼らの優位性を古代から、現代までの著名人を例に挙げて解説する。情に流されることなく的確で思い切った行動が企業を成功に導き、社会を変えていく原動力になるだろうと考える。人同士がつながりあう社会はどんどん時代遅れになり、「絆」などという言葉は、早晩消えてしまうのではないかと、不安をあおる。なんとも精神を削られる内容だった。2019/12/07
食物繊維
7
私もどちらかというと回避型です。もういい年なんですが 結婚願望なしです。なかなか考えさせられる本でした。良いなと思った所は北欧の福祉が日本人が思いがちな素晴らしい面だけではないという事にちゃんと触れている所です。北欧で自殺率の高い国があるのは、日照時間の短さのせいかと思っていたのですが、それだけではない可能性もあるのですね。回避型の人から見た共感型の問題点をちゃんと書いているのもありがたかったです。共感型と回避型の人が妥協しあっていけたらいいななどと考えさせられました。2019/12/10
乱読家 護る会支持!
6
なんか、著者自身が「回避的」に思考を深めておられるようで、 申し訳ないけど、しっかりと読む気にはなれませんでした。 大きな夢を描けなくなった日本社会なので、回避的に生きる人達が増えているのもわかります。 しかし、一方で他人や社会の為に命を捨てて、日本を変えようとしている人達もいっぱいいらっしゃいます。 我々の社会で起きていることは、我々に責任がある。 それが、民主主義だと思います。 だから、今日よりも明日を少しでもいい社会にする為に、 我々は頑張りましょう!! 2020/03/15