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内容説明
江戸時代、武家社会を中心に男どうしの恋は公然のふるまいとされていた。そのなかでも王道の組み合わせは、おじさんと美少年である。三角関係のもつれ、容色の衰えによる歌舞伎若衆の悲劇や役者の苦労話……男たちの恋物語を西鶴が浮世草子に活写。美貌を誇った少年たちの末路は、恋に殉じての切腹や、この世の無常をはかなんだ出家しかないのか。近世文学「異色」の最高傑作、初の文庫化。上方文化に精通した小説家の抄訳版。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
78
江戸時代、男子の公然の嗜みとされていた男色。その男色も本となるとテンプレートが見えてくる!序の「色はふたつの物あらそひ」は男色が如何に尊ばれているかが説かれているのだが、まず、文体が凄い。前者に男女の愛が如何に俗で煩わしいものかが、後者に男色の尊さが一気呵成に一文で書かれるのだから。音読では息継ぎをどこで入れるかで悩みますね。特に仇討ちものでもある「編笠は重ねての恨み」は仇討ち後、邪恋を抱く荒法師らに捕まり、身体を嬲られ、耐えるも口を吸われそうになり、涙を流す場面は「私は薄い本でも読んどるのか?」と思った2021/05/13
しんすけ
12
西鶴は嘆いている。 BLほど美しいもてあそびはないのに、今どきの人はこのすばらしさをしらない。 素戔嗚が稲田姫に血迷って女に恋することを、知ってしまったからだって。 さすが世之介を世に登場せしめた西鶴先生、読みが深い。 世之介のBL体験の始まりは、十歳くらいだったはず。天才は観るべきところは草葉の頃から嗅ぎ出すと。 大和ことばでBLは陰間と呼ばれるゆえに、以後記すに混乱が起こるべくもあらずかな。 読み人の心太きを期待して、以下を書き進めん。2022/06/30
ハルト
8
読了:◎ 江戸時代の男色を中心に据えた浮世草子。武士編と歌舞伎若衆編がある。どちらも男同士の関係の心意気を書いている。武士編では命を賭しての恋のやりとりがあり、歌舞伎若衆編では役者ならではの苦悩や恋が書かれている。どちらもがはかない恋の顛末多し。解説では現代のBLとこの作品とを比べ、女性による女性のための新鮮なファンタジーとなっていると語られていました。BLは結婚や出産からの女性の解放とありましたが今はオメガバースがあることを考えると、それも少し形態が変わってきたのではないかと思いました。2020/01/09
浅香山三郎
5
稲垣足穂からの流れ。古典の原文そのものではなく、富士正晴の現代語訳によるダイジェスト。近世の男色の精神世界を西鶴が取材した実例(?)をもとにまとめる。なるほど。2023/07/25
かりぐらし
1
男色や美少年の素晴らしさを説き、男同士こそ至極、女なんて要らない、傍らに女無きが若くの本。武士の衆道はいつもどっちかが死んでしまうが命をかけている分艶っぽく、歌舞伎の若衆はそれよりは少し軽め。後書きの文章の勢いがとても怖かった。すごく読みにくい本だった。2021/10/24
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