カムイ

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カムイ

  • 著者名:櫂未知子【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • ふらんす堂(2019/11発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784781409733

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内容説明

◆ふらんす堂電子書籍1000円シリーズ

◆第三句集
一瞬にしてみな遺品雲の峰

前の句集を出してから、思いのほか長い月日が過ぎた。途中、母の死をきっかけに句稿を何とかまとめたが、その二週間後に東日本大震災が起きてしまった。今思えば、あの震災は自分の作品を再び見つめ直すための厳しい機会だったのかも知れない。

◆収録作品より
南風吹くカレーライスに海と陸
さまよへる湖に似てビヤホール
簡単な体・簡単服の中
帰心とは水引草にかがむこと
いちじくの火口を覗く夜なりけり
風呂敷は布に還りて一葉忌
海流のぶつかる匂ひ帰り花
病棟は海鳴りのなか神の留守
しばれると皆言ひ交す夜空かな
大空に根を張るつららだと思へ

第57回俳人協会賞受賞!
第10回小野市詩歌文学賞受賞!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

シロクマぽよんぽ

6
櫂未知子第三句集。アタリ。個人的には夏のさわやかな句が好きだが、母の死や北海道の自然など、テーマは多岐にわたる。他の句集も読んでみたいと思わずにはいられない句集だった。お気に入りは、「夏空をちよつと高枝切り鋏」、「冷房車三十年はすぐ過ぎて」、「手袋をはづす一樹に触るるため」、「ゆっくりと悲しむために吾亦紅」、「常盤木の色の日記を買ひにけり」、「雪激しピアノ売りたる夜のごとし」。2022/07/11

シロクマぽよんぽ

3
個人的には「夏空をちよつと高枝切り挾」のイメージが強かったのだが、再読してみて、意外と重い作風だったんだなと思い知らされた。震災以後の時代性や、地方・故郷、身体感覚、死なども詠んでいる。読むたびに印象が変わりそうな句集だ。2024/06/26

chiuchiu

2
NHKEテレなどで活躍されていて、好きな俳人の一人だが、意味を解釈しようと思うと難しいかも。言葉の選び方がとにかく美しく、淡々としているのに、泣きたくなるような感情がにじみ出る俳句。お母様を亡くされたころの悼んだ俳句が好き。2019/03/19

yumicomachi

2
集名は北海道余市にある著者の実家に近い神威岬からとったとあとがきにある。骨太にして華麗、力強く抒情的な第三句集。2017年6月初版発行。〈噴水やゆつくり湿る文庫本〉〈鳶色の聖書を閉ぢて冬満月〉〈水やれば咲くかもしれずかたつむり〉2018/07/31

sayuspi

1
こういう俳句もあるのだ、と衝撃を受けました。きっとこの方は、息をするように作句されているのだろうと感じました。やわらかでするりと逃げ出してしまいそうな。でもそれでいてはっきりと芯が通っている言葉たち。「憧れ」とはきっとこういう感情なのだろうな、と自分の中に生まれた想いを分析すると同時に、目指すべき方向が見つかったような、そんな気がしました。2018/02/15

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