内容説明
みんなよりちょっとだけ頭がよい小学四年生少女・理桜は、担任の先生のお願いで、不登校の少女・さなかの家を訪れる。
しかしさなかは既に大学院を卒業し、数学者の肩書きを持つ超・天才少女! 手玉に取られくやしい理桜は、マウントを取るべく不用意に叫ぶ。
「あんた、友達居ないでしょ!」
かくして変な天才少女に振り回される『友達探求』の日々が始まるのだった……。
野崎まど新装版シリーズ、「友情」の極意をお届けする第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
65
シリーズ五冊目。今回は小学生の女の子が友達を作る話。今回は明るく前向きだな、白野崎まどかな。等と思っていたら途中から衝撃的展開があり、ああやはりいつもの野崎まどだと安心する。とはいえいつも通り浮世離れした天才に振り回される主人公といった構成であるが、今回はその天才が当事者になるのも珍しい。あと途中からやたら謎でご都合主義に走ってると思ったけど、最後まで読んで衝撃と共に納得。一種のデウスエクスマキナであるけど、シリーズを順番に読んできた身としては納得させられる話である。やはりハッピーエンドはよろしいものだ。2020/07/26
オフィーリア
54
天才数学少女は友達というものを理解する為に登校する事にした。小学生達の賑やかな日常から、突然やってくる話のジャンルすら変わる大転換。「友達って良いよなあ...」そんな感慨すら吹き飛ばす衝撃がラストに待っていた。さぁ次はシリーズ最終章です。2024/05/11
dr2006
37
大人以上に繊細で過敏な小四女子。テーマは使い古された「友達」だが、そこは論理的野埼まど、ラノベの陣地を超える旅に出た⒲担任に命じられ、主人公理桜はクラスで仲良しの柊子とややと一緒に、不登校のさなかの家を訪問する事になった。海外の大学で博士号を取得している超天才少女さなかは、小学校の必要性を感じていなかったが、理桜達の振る舞いに疑問を持ち「友達」を研究する為、登校することにした。天才&引き籠りだったさなかは、抜群の世間知らず&天然で、必然的につるむ事になった理桜達との女子トークが面白く、何度も噴き出した⒲2021/12/26
moto
24
誰もが一度は考えたことがあるであろう「友達とはなにか?」というものを突き詰めていったら、こんなに大変なことになるのかと。あそこで終わらなくて本当に良かった。理桜とさなかのやりとりは、ずっと見ていたいと思うぐらい面白かったです。もう大分、野崎まどさんの作品にのめりこんでしまったので、シリーズの最終の「2」を読むのが楽しみです!2019/12/09
きたさん
18
天才小学生という設定、友達のキャラの濃さ、などいわゆるラノベっぽさが感じられるのだけれど、基本的にいい話なので楽しく読めます。……と途中まで呑気に構えていましたが、ある時点から論理と感情が交差して、考えることと感じることで頭がいっぱいになって、それがとても心地よかった。 ……ラストでとんでもない事実が発覚して、いやでもいい話だったよ、とか言ってる自分が恥ずかしくなるほどなのですが。ちょっとした絶望に襲われました…2019/12/01