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内容説明
第一次世界大戦の最中、トルコの圧制に抗して立ち上ったアラブ人を率い、疾風の如く砂漠を馳駆して闘った冒険児ロレンスとは、いかなる人間であったか。彼の人一倍内向的な性格と鋼鉄の如き意志と行動――その不思議な組合せの中に、読者は世紀の謎ともいうべき一個鮮烈な人間像を見出し、つきない興味を覚えるであろう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びす男
46
映画「アラビアのロレンス」では、ラクダの疾走する姿が印象的だった。民族自決の象徴となった、風変わりなヒーローの半生を読む■ゲリラ戦の天才と評される。要地を陥落せず、鉄道を脅かす戦略は確かに効果的だった。民族性への観察に基づいた指導力も、離れ業と言えよう■しかし目に付いたのは「暗さ」である。英国の二枚舌外交は、大きな禍根を中東に残した。ロレンスはその矛盾、皮肉を個人として背負っていた。バイクでの暴走も、緩やかな自殺に見える■あれは国家がやったこと、と割り切れなかったのか。「歴史の子」とは、そんな存在らしい。2021/02/06
Apple
35
T・E・ロレンスの伝記.アラブ人の反乱について簡単にまとめられていて,個人的にまったく世界史の知識を持っていなくてよくわからなかった部分もありますが,彼の双極的な人物像・反乱を率いる中で仮面をかぶり自分をも欺きながら戦っていたところが魅力的でありました.これを機に,第一次世界大戦についてのことももっと知っていきたいと感じました.彼による著書「智慧の七柱」の引用が文学的でことごとく印象に残りました.2025/05/31
大泉宗一郎
7
戦前に出版されたロレンス評伝を映画『アラビアのロレンス』公開記念に再刊された改定版。生涯ベスト級の映画ゆえに、ロレンスについて知りたく読んでみたが、”英雄”から”変質者”など、毀誉褒貶が激しく評価の難しいこの人物を、膨大な文献をもとに英雄神話やデマを解体しながら、彼がどのような人物であったのかを解き明かしてゆく過程は実にスリリングで読みごたえがある。ロレンス英雄説と反ロレンス派の学説を比較し、信憑性のあるもののみを抽出する著者の見事なバランス感覚と筆致が冴える。絶版になっているのが惜しいほどの名文である。2025/07/28
たみき/FLUFFY
7
初版が1940年、後に改訂された1963年版を読んでいる。今だと更に解釈は異なってくるのかもしれない。ロレンスの著書「智慧の七柱」を中心に、歴史好きの青年が、三年の中東生活経験や知識を買われて、英国陸軍の地図班に採用されてからの、アラブに対する行動、後のアラブとイギリス間での板挟みに苦しんだ様子などが記されている。映画でも印象的なアカバ攻略については、著者がそれを「一ノ谷の戦い」になぞらえていた。だから自分はあのアカバ攻略を好きなのかと再認識した。2018/05/31
wei xian tiang
6
牟田口義郎の「アラビアのロレンスを求めて」を先に読んでしまったので、ネタバレもいい所。ロレンスはアラブの反乱の指導者でもなんでもないただの連絡将校であり、虚栄と欺罔に満ちた帝国主義の尖兵そのものというのが既に定説かと思うが、今だに我国ではロレンス人気が衰えないのには本書と例の映画が蒔いた種であり空恐ろしい。片や誰も徳王工作や南機関を手放しで英雄視する人はいないのにである。こうした欺罔力まで含めてソフトパワーというのであろう。2014/07/28
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