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内容説明
日々を楽しく暮らすことを信条とした江戸っ子たち。落語のあらすじをベースに、彼らが好んだ四季のご馳走を、さまざまなうんちくを織り交ぜながら紹介する至極のエッセイ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
64
落語とそれに関する食べ物をまとめた一冊。内容的には考証というよりエッセイ、紹介という体なんだけど、題材が題材なので読んでいると何処か駘蕩とした空気が漂ってくるような気がする。旬の物という言葉が死語になりつつある現代だけど、やはりそれぞれの時期に合った食べ物というのはあるものだなあ。あと紹介されている落語も多岐に渡り、「目黒のさんま」や「あたま山」「らくだ」とかの時分でも知っている名作から、聞いた事の無い物まで挙げられているが、どれも面白そうなのである。旨い物を食べながら酒が呑みたくなるような一冊でした。2020/05/03
ようはん
10
古典落語から見た江戸の食文化史。落語はあまり知らなかったが、随所に紹介される数々の落語は割と面白かった。2020/02/04
Inzaghico
5
江戸落語版と上方落語版の両方で「青菜」を聴く機会があった。本書でとりあげられているのは「鯉のあらい」だが、そのお供の「やなぎかげ」というお酒が実においしそうなのだ。お金もちが飲むお酒という扱いで、植木屋さんがご相伴に与るという噺だ。「やなぎかげ」は江戸だと「なおし」。みりんとお酒で割った飲みものと知って驚いた。それだったら植木屋さんが毎日飲んでいる普通のお酒のほうがおいしそうに思えるのは、飲兵衛の性か。2019/12/02
まゆ
4
落語の脚本家が落語に登場する四季の食べ物を紹介してくれる。江戸落語というタイトルからあるように、古典落語中心だから、食べ物は江戸時代の風習の紹介とセットになりとても面白い。落語の紹介ももちろんあるので初心者も興味を持てて、落語が聴きたくなる本。2020/04/18
kaz
2
江戸時代の食の習慣がよくわかる。落語を聴く時の参考にもなる。ただし、他の書籍で常識とされていることと異なる記述もあり、どこまで信じて良いのかという問題はある。例えば、昔の唐茄子は今のかぼちゃほど甘いものではないというのが通説だと思っていたが、著者は初めから甘いものと考えている。あくまで、参考程度に理解しておけば良いのだろう。2020/05/10