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内容説明
憲法は国の性格を決める。やさしい国、強い国。卑屈な国やケンカ好きな国。この憲法のもとで70年以上も、日本はケンカをしない穏やかな国だった。そのせいでぼくたちは損をしたか得をしたか。今、憲法を論じよう。その土台として、自分たちのふだんの言葉に書き直したのが、この新訳憲法。自分の目で見て、自分の頭で考えよう。それが自分たちの未来につながるのだから。付録として日本国憲法全文とその英訳も収録。
目次
まえがき
新訳「日本の憲法」
第一章 天皇
第二章 戦争の放棄
第三章 国民の権利と義務
第四章 国会
第五章 内閣
第六章 司法
第七章 財政
第八章 地方自治
第九章 改正
第十章 最高法規
第十一章 補則
翻訳について
あとがき
文庫版のあとがき
付録 日本国憲法(和文)
日本国憲法(英文)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
29
日本国憲法の元となった英文から著者が新たに訳したもの。当時日本語に訳されたものからでは新たな解釈は難しい為という。分かりやすく中学生くらいでも読め、peopleの訳にも気を使っている。英文も通常の日本文もあるので読み比べもできる。戦後の日本人の骨格となったもので、やはり手直しとなると大手術が伴う。しかし影響が大きいなら修正もやむを得ないだろう。絶えず議論が必要であり、この書は副読本として○。2018/04/04
Shoji
28
憲法を通しで全文読んだ。恥ずかしながら、初めてである。でも、恥ずかしがることはない「憲法とはどういうものかわかっていない人がいる。特に政治家にそういう人が多いから困ってしまう」と、池澤さんは斬り捨てています。溜飲が下がった。しかし、痛烈だな。この本は、憲法を池澤さん視点で訳した本です。右寄りでも左寄りでもなく、素直に分かりやすい言葉に置き換えています。スラスラ読めますよ。憲法全文なんて、読書習慣がなけりゃ読まなかっただろうな。なんか、知識が増えたような気がする。この本に出会えて良かった。2024/03/09
galoisbaobab
12
GHQが作った英語版からわかりやすく訳し直すというなかなか大胆な本ですがとても面白い。ふつう9条しか論点に上がらないけど、41条より前のどれも変えられたくないんだよね。ボクらは民主主義というものを当たり前なものとして考えているけど、”ある国に属した国民”以前の”人間”として血みどろの戦いをして勝ち取ってきたモノであることを考えたいね。それは簡単に失われてしまいそうなモノでもあり、ボクらの日本国憲法は高らかにそれが大事であることを謳うモノなのですよ。2015/10/10
夕暮
6
憲法記念日の昨日から読み始めた。2005年に書かれたこの本。そのころから、この国に政治は相変わらず低レベルなままな気がする。東日本大震災前後の民主党政権のときは、まだのんびりしていたのか、こんなにコロコロ総理大臣が代わっても日常的に影響しない日本ってすごいななんて悠長に構えていた自分がいるが、いまの政権になって、明確な根拠を提示できないが、言い知れぬ不安と危機感を覚えてならない。確実に私たちの自由や人権は損なわれようとしているのではないかと。 9条だけでなく、11条も14条も欠かせない。また読み返そう。2020/05/04
もくもく
4
日本国憲法の原文は英語だって聞いたことはあったけれど、その原文(本書の巻末に掲載)を見たのは初めてのことです。本書では翻訳家としての著者が英語の原文を独自に翻訳したって形で、法律用語で難文の憲法を読みやすいものとして提示しています。はじめて憲法を前文から終わりまで読みました。著者の政治的な立ち位置などはおいといても、日本国憲法ってのは、おもいっきり民主主義・人権思想の理想論で固めたものなんだってことがよくわかりました。憲法に対してどんな主張をするにしても、まず一度は現物を読まなきゃね・・・。2013/05/07