オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件

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オタク経済圏創世記 GAFAの次は2.5次元コミュニティが世界の主役になる件

  • 著者名:中山淳雄【著】
  • 価格 ¥1,870(本体¥1,700)
  • 日経BP(2019/11発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784822289980

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内容説明

日本のオタク文化商品は、いかにして世界的なブルーオーシャンとなり、成長を続けているのか。
「オタク経済圏」のキープレイヤーの戦略を解き明かし、5G時代のビジネスのヒントを提示する一冊。


<以下、序章より>
事件は2019年4月6日におきた。おそらくは歴史上はじめて、純日本のコンテンツ、それもプロレス団体がマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)の会場を満員にしたのである。
(中略)
これをプロレスのようなマイナー競技の、一興行の事件として片づけてはいけない。なぜなら、このプロレスの北米展開を仕掛けている新日本プロレスは、親会社としてカードゲーム・モバイルゲーム・アニメ・音楽のキャラクターコンテンツを展開するブシロードを持ち、その展開は明確な戦略をもって行われたものであるからだ。キャラクターメーカーによるプロレス展開――一見無関係にもみえるこの組み合わせには、れっきとした物語があり、その物語こそは日本企業の海外展開を成功に導くカギを握っている。
(中略)
「ポケモン」も、「ドラゴンボール」も、「新日本プロレス」も、本書が事例として挙げ、米国で市場を築いた超日本的なオタク文化商品は、デジタルの力を借りてコンテンツをライブコンテンツ化し、「オタク経済圏」を構築することに成功した。2次元のアニメやゲーム、3次元のタレント・イベントなどの複数のメディアミックスチャネルを同時多発的に巻き込むことで、2.5次元の価値体験を創造する。コンテンツが静的なパッケージではなく、動的なサービスに、供給の仕方も消費のされ方も変化しているのが今という時代なのである。

目次

序章 オタクが席巻する世界

第1章 2次元の成長期――ニッチがマスになる
マンガから始まる「おたく」の起源/「大人向けアニメ」という発明品/日本のゲームは最初から世界一/ポケモンに完成するマンガ・アニメ・ゲームのメディアミックス

第2章 2.5次元のライブコンテンツ創世記
1995年と2010年、二つの転換点/「BanG Dream!」という社会現象/「流行させる」の価値が下がり「流行を維持する」の難易度は高く/「お祭り騒ぎ」に人は集う/サブカルチャーとメインカルチャーの反転

第3章 オタク経済圏のグローバル化
米国オタク市場を育てたイベントとサブスク/ドラゴンボールの米国展開の大成功/海外オタク市場が国内を凌駕する時代

第4章 3次元の逡巡――プラットフォームの時代からコミュニティの時代へ
テレビから見放されてもコンテンツが生きられる時代/新日本プロレスの北米展開/ローカルニッチからグローバルマスへ/5Gがライブコンテンツを制約から解き放つ

第5章 日本型グローバル経営2.5
異質な文化圏からの出発/ジャパン・アズ・ナンバーワンの再現/クリエイター中心の中小企業が世界に輝く

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミライ

41
題名に「オタク」とあったのでもっと砕けた本かと思ったが日本のライブコンテンツの現状と未来を占う本格的なビジネス本だった。2000年代にプロレス人気が総合格闘技(PRIDE)に流れていった後で、ここ10年総合格闘技が衰退傾向の中で突如復活した「新日本プロレス」の謎を知りたかったが本書を読んでしっくり来た。プロレス以外にも、アニメ・ゲームなどの日本のコンテンツのこれからの5G時代の指南書としてもおすすめできる一冊。日本のコンテンツ自体は近年世界でも評価が増しているので、5G普及でどこまで盛り上がるか期待大。2020/01/07

パトラッシュ

22
マンガ・アニメ・ゲーム論でありコンテンツビジネス本であり日本文化分析でもある。これらが融合し成立した2・5次元ビジネスがどうなるのか、最先端の現場を体験した説得力ある未来像を提示する。世界で人気な日本のサブカルだが、スマホの発展やライブ感への欲求などによる消費者の嗜好の変化を素早くキャッチし、それに合わせたコンテンツを提供できるかが勝負を分ける冷徹なビジネス論を展開する。勝負は狭い日本ではなく世界のオタク市場であり、そこに食い込むものを生み出せなくてはクールジャパンは無意味だ。20年後の予言書となるかも。2020/05/27

ta_chanko

18
日本の高品質なマンガ・アニメの創作は、作家たちの職人的かつブラックな労働から成り立っており、その意味でも他国の追随を許さない圧倒的なもの。それをテレビ・ゲーム・玩具などで商品化することで、市場と利益を確保している。近年はテレビ離れとネット動画の普及により、海外展開も拡大。また、ライブなど体験型ビジネスの拡大により、ローカル・ニッチからグローバル・マスへと市場が広がる可能性も広がっている。新日本プロレスの北米興業の成功は驚き。日本の文化や伝統も理解してビジネスに生かすことで、新たな市場開拓も望める。2020/04/02

スプリント

17
日本発のオタク文化は、自分の好きなことを採算度外視でのめり込むオタクの奉仕労働のもとに成り立っているということがわかる本です。2020/05/16

出世八五郎

16
アメリカがハリウッドで世界の文化の中で存在感と魅力を発信し続けているように、日本は漫画、アニメ、ゲームを大事にしナンバー1であり続けなければいけない。これがハリウッドと肩を並べるほどに世界への存在感と魅力はデカイ。その為にはアニメーターの給与やそこで働く人々の待遇を政府介入で向上させて欲しい。内容は面白い。何故か新日本プロレスが出てくるけど、アニメ委員会とかカラクリが分かる。2020/09/30

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