集英社新書<br> 悪の脳科学

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集英社新書
悪の脳科学

  • 著者名:中野信子【著】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 集英社(2019/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087211009

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内容説明

藤子不二雄Aの名作漫画『笑ゥせぇるすまん』では、主人公の喪黒福造が日常のどこにでもいるような老若男女を言葉巧みに陥れていく。喪黒は<誘惑の悪魔>として、様々な手段でターゲットを破滅に導く――。人間は誰でも驚くほど簡単に騙すことができる。そして、人間の心は簡単に操ることができる。喪黒福造というキャラクターを分析しながら、喪黒の<騙しと誘惑の手口>を脳科学の視点で考察し、「人間の心のスキマ」を解き明かす! 巻末には藤子不二雄Aとの対談も収録。■主な内容:ココロと呼ばれるものの正体/「悪の教科書」というタブー/絶対に守れないルールを課す/「意志の力」は、いつか必ず負ける/人間の脳は、全体像ではなくパターンを認識する/心を開かせるために、相手の目を見て話す/相手が感じる「後ろめたさ」を利用する/優秀な営業マンが美男美女とはかぎらない理由/人間の「我慢の総量」はあらかじめ決まっている/喪黒福造が狙う月曜日/怖がらせることなく、命令する/サイコパスの世界観/喪黒福造が誕生するまで/感情と理性/嫉妬心を認める

目次

はじめに 簡単に騙される、人間という悲しい生きもの
第一章 あるべくして不完全な人間の脳《『笑ゥせぇるすまん』の世界観》「ココロのスキマ…お埋めします」という名刺
第二章 ラポールの形成《喪黒福造の接近テクニック》喪黒福造のコールド・リーディング
第三章 騙されるメカニズム《ターゲットの心を操る喪黒福造》人間の我慢の限界は、なにで決まるか
終章 騙されやすい脳と、騙されにくい脳 詐欺師たちの常連客
対談 藤子不二雄A×中野信子「僕は喪黒福造に陥れられるターゲット側の人間ですよ」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

徒花

126
まあまあ。名作マンガ『笑ゥせぇるすまん』を題材にして、「騙す」「騙される」人間の心理を脳科学的なアプローチから解説する一冊。けっこうマンガの内容に即しながら丁寧に書かれているので、マンガを読んだことがなくてもけっこう楽しいかもしれない。最後には藤子不二雄A氏との対談もある。個人的には、じつは誰もが「騙される側でいたい」という願望を持ちがちなのではないかというところが興味深い。あとは人間の弱さを認めるところ。2021/07/20

けんとまん1007

67
なるほど、人間というものは面白いものだと再認識。強い面もあれば、意外なほど脆い面もある。それが分かっている人が、メタ認知の強い人なのだろう。騙されやすい人と、騙されにくい人との違いになるというのは、納得できる。しかし、凄いのは、それらの点を含めて随分前に、笑うせぇるすまんに仕掛けた藤子不二雄A先生の才能だ。2020/05/13

gtn

60
「笑ゥせぇるすまん」「プロゴルファー猿」「まんが道」等、以前から手塚氏や藤本氏よりもデッサン力の劣る安孫子氏の作品に強く惹かれるものがあったが、著者が科学的に証明してくれた。彼の作品には、意志の力や理性では抗えない情動に支配される人間が共通して描かれている。その"弱い人間"に魅了されてきたことを自覚する。2021/02/06

Carlyuke

60
「笑うセールスマン」を脳科学で説明した本。藤子Aさんとの対談が巻末に掲載されている。学問の世界では人を騙すような悪の要素のある研究は評価されないと著者が言っている。騙されないように研究するのじゃないかなと思った。ちょうど平和を維持するためには戦争を研究する方がいいと言われるように。若い頃経済学を学ぶのは経済学者に騙されないようにするためって読んだのを思い出すな。藤子不二雄の二人のマンガも気になる。読みながら中公新書かと思ったが集英社だった。喪黒のマンガが中公文庫だから。2019/11/18

かわうそ

50
誰もがココロにスキマを持っている。なぜならココロの機能を持つ脳が不完全なものだからです。人間は環境の変化に対応するために不完全な脳を持っているのだそうです。それだったら人間に常に不満があるのも不安があるのもしょうがない。その不安や不満につけ込んだり騙そうとする人間がいる。そして、騙されないために騙す方法を学ぶというのは大いに有益な事だと思います。2023/07/21

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