内容説明
朝日新聞「be」大人気連載が待望の新書化。国語辞典の名物編纂者が、街を歩いて見つけた「まだ辞書にない」新語、絶妙な言い回しを収集。「昼飲み」の起源、「肉汁」は「にくじる」か「にくじゅう」か、など、日本語の表現力と奥行きを堪能する一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なつ
41
国語辞典に載る言葉は常に時代のニーズに応えなくてはいけない。一見変わった言葉も人々に広まって新しい版で掲載された言葉も見かけます。一つ一つの言葉に実際に使われた現場(写真)とコメントがあり、意味の多様性に気づかされます。さすが辞典の編纂者ということで、言葉が生まれた背景の考察も面白く読みやすいです。2020/01/18
けんとまん1007
33
確かに、言葉は日々変化している。そんな中でも、残る言葉、消える言葉がある。残る言葉のすべてではないが、気がつくと違和感がなくなっているものが多い。これも時代なんだろう。2020/01/29
冴子
22
飯間さんの言葉に対する優しい眼差しを感じるエッセイ。街中、電車の中吊りなどを随分細かく観察しているなぁ、と思った。私はやっぱりラ抜き言葉やさ入れ言葉、レ足す言葉には違和感があるが、そのうち慣れていくのかなぁ。他にも最近よく「〜させていただきます」と異常に謙る言葉には抵抗感があるが、先生はどう思っているのかな? 私も看板や広告に注意を払ってみよう。2021/10/23
ばりぼー
22
国語辞典を編纂するためには、従来の辞書には載っていない語句や意味、用法を大量に集める必要がある。「鰻重」は「うなぎじゅう」ではなく「うなじゅう」と読むが、漢字を略して読むのは珍しい。これ以外の「略し読み」には「モー娘。(モーむす)」や「茨大(いばだい)」などがあり、色の名前で「銀鼠(ぎんねず)」、落語に「妾馬(めかうま)」などの例もある。「鰻丼」の「どん」も元は略し読みで、「丼」は「どんぶり」と読むが、今では「どん」が普通で「丼ぶり」と送り仮名をつけることも多い。これでは「どんぶりぶり」と読みそうになる。2020/10/06
Shimaneko
18
すきま時間にちくちく読了。辞書にはまだ記載されてないけど、一部ではすでに広く認知されている表現の数々。言葉は生物(なまもの)だからねぇ。ネット以前の紙の時代は、ずっと岩波&新明解ユーザーだったので、三省堂国語辞典には縁がなかったけど、ちょっと油断してたら辞書の編纂者まで年下かい、と何の脈絡もないところで軽い衝撃(違2021/01/17