内容説明
成立は12世紀、平安末期と言われる。本朝(日本)、天竺(インド)、震旦(中国)、すなわち当時認識していた全世界に伝わる仏教譚を集めた類聚説話集。本巻の舞台は天竺。釈尊の生涯や伝説、修行、各種霊験、因果応報……綿々と伝わる教えを壮大なスケールで、ときにユーモラスに展開する。講談社学術文庫刊『今昔物語集』(一)~(五)より現代語訳を抽出し、一冊に再編集。
目次
巻一
釈迦如来、人界に宿り給える語
悉達太子、山に於いて苦行したまえる語
釈迦、五人の比丘の為に法を説きたまえる語
ほか
巻二
仏、病める比丘の恩に報いたまえる語
天竺に香を焼きしに依りて口の香を得たる語
前生に不殺生戒を持せる人、二国の王に生ぜる語
ほか
巻三
文殊、人界に生れたまえる語
阿闍世王、父の王を殺せる語
仏、涅槃に入りたまえる後、棺に入れたる語
ほか
巻四
天竺乾陀羅国の絵仏、二人の女の為に半身と成る語
天竺の国王、酔象を以て罪人を殺さ令むる語
天竺の長者と婆羅門と牛突の語
ほか
巻五
一角仙人、女人を負い、山従り王城に来る語
天竺の狐、虎の威を借り責められて菩提心を発す語
亀、猿の為に謀らるる語
ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
47
釈迦を軸にした物語。人間界に生を享受し、悟りを開き、仏陀となってからの入滅までの壮大な世界が語られていました天竺の地に仏教が発生した流れを知ることができました。2024/01/27
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
5
『今昔物語集』とは平安時代末期に成立した、実に千話を超える短編が収録された日本最大の説話集。当時の日本人(そもそも”日本人”という自覚があったのかどうか?)にとっての”全世界”である「天竺・震旦・本朝」はそれぞれ「インド・中国・日本」を指し、国際的な一大アンソロジーという特色ある一作。かつて同じ講談社学術文庫で出版されていた『今昔物語集』は天竺と震旦のみであり、それを再構成してそれぞれ一冊にまとめている。本文も現代語訳と語釈のみなので他の学術文庫よりも読み進めやすいはず(原文がない)。→続く2021/09/17
眉毛ごもら
2
お釈迦様の話がメイン。釈迦生存時に唐突に出家しようとして家族が全力で止めるの新興宗教に染まった家族ってこんなんだろなと生暖かい目で見てしまった。結局は出家するんですが。後になるとみんな優しく送り出してくれる。認知度って大事。芥川の蜘蛛の糸で仏様優しすぎと思ったが、そのレベルの話がわんさか載ってるのでそういうものらしい。あと基本転生物。前世で何らかの功徳を積んだおかげで金持や、美男美女、特殊技能持ちになるので、今の転生物もリバイバルみたいなもんやなと。こっちが本家ではあるが。天文学的数字はデフォルトです。2020/05/01
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