内容説明
落語家・柳亭小痴楽の書き下ろし初単著は、幼少期から現在に至るまでを綴ったエッセイ集。
「枕花(まくらばな)」 とは、仏事用語で葬儀までの間に故人の枕元に飾る生け花のこと。
亡き父・ 柳亭痴楽との思い出、人生観に影響を及ぼした作品との出会い、お世話になった桂歌丸の回想録、飼い犬との十六年を描いた短編など、一冊を通じて自身の半生を振り返る。
「マクラ(落語の前の小噺)を頑張るようになったのは二ツ目になってから」と語る著者が、真打昇進を機に書き綴った二十一篇。母、兄との座談会の様子も収録。
著者について
1988年東京都生まれ。
2005年10月 二代目桂平治(現:桂文治)へ入門「桂ち太郎」で初高座。
2008年6月 父・柳亭痴楽の門下に移り「柳亭ち太郎」と改める。
2009年9月 痴楽没後、柳亭楽輔門下へ。
同年11月 二ツ目昇進を期に「三代目柳亭小痴楽」となる。
2013年、落語芸術協会所属の二ツ目で構成されるユニット「成金」を
昔昔亭A太郎、瀧川鯉八、桂伸三、三遊亭小笑、春風亭昇々、笑福亭羽光、
桂宮治、神田松之丞、春風亭柳若、春風亭昇也と共に結成。
2019年9月下席より真打に昇進。
切れ味のある古典落語を中心に落語ブームを牽引する実力派。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちぃ
23
小痴楽さん、お父さん大好きだなー(笑)。お母さんもスゴイ(笑)45ページの写真はきっとハウステンボス! 真打になってからまだ生で聞けてないので、早く聞きに行きたいなー。2021/05/22
ののあ
9
落語が好きなので。内容はイキってんのか、彼は生粋の江戸っ子なのでこれが粋なのか私には分かりませんが、小痴楽師匠が落語に対して真摯な事は間違いないです。2021/05/26
西澤 隆
8
「田舎者」にとっての落語家のイメージは例えば古谷三敏「寄席芸人伝」のような枯れた人情話の手触り。でも実際には昔からお行儀よい客がうなるだけではなくみんながやいのやいのいいながら聞いてきた噺なわけで、小痴楽さんの話しもピアスいっぱいチビでも大喧嘩暴走族に金属バット(これはオヤジか(笑))とたぶん傍らにいれば笑えないかもしれないコト満載。なのにちゃんと「いい話」な風情で伝わってくるあたりが落語という芸の懐の深さなのだろうなとも思う。目次の「一部脚色誇張表現が含まれます」は編集の安全策かそれともシャレか(笑)。2020/06/05
ぽん
4
町内の若い衆を地でやっていけそうだなあ、と思っていましたが、本を読んでなるほと、と納得出来ました。波乱万丈なんだな。真打口上披露でも思ったけど師匠達との関係性が愛されてるんだな、と。痴楽師匠の落語を聴いてみたかったなあ。2019/12/18
vannie
3
親子愛、友情、師弟愛。乱暴な中にも愛が所々に溢れていて、心が温かくなった。小痴楽さんの率直な人柄故の人望なのだろう。そんな彼がコテコテの古典をやるのだから面白いな。是非一度高座を拝聴してみたいです。2020/02/16