内容説明
トランプ大統領がイランを目の敵にする理由とは――
2019年に入り、イランとアメリカの関係はますます緊迫し、これに伴い6月に行われた安倍首相のイラン訪問も成功とはいえない結果となりました。
本書は、背景にあるエネルギーをめぐる争い、陰で蠢くイスラエル、サウジアラビア、中国の存在など、日本のメディアではほとんど報道されていない国際情勢を解説します。
世界の政治状況を読み解き、日本の立ち位置を考えるきっかけとなる一冊です。
【目次】
第1章 トランプの中東政策の合理性
第2章 福音派とイスラエルの「記録男」
第3章 イランとアメリカの因縁
第4章 蜃気楼上の王国──サウジアラビア
第5章 アメリカ政治の新しい潮流
【著者プロフィール】
高橋和夫(たかはし かずお)
国際政治学者。福岡県北九州市生まれ。大阪外国語大学ペルシア語科卒業。コロンビア大学国際関係論修士。クウェート大学客員研究員等を経て、現在、放送大学名誉教授。
『中東から世界が崩れる』(NHK出版)ほか著書多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rokubrain
15
イランのみならずサウジ、イスラエルなど中東諸国の情勢、また裏で糸を引く90年代~2019年までのアメリカの外交政策の変遷が手に取るように見えてきた。 快刀乱麻を断つような分析で分かりやすい。 一般的にイスラムというと宗教の特異性に戸惑わされ、そこで思考停止しがちだけれども、そんな精神的な高次?の話ではなく、本質は、地域のなかの運命共同体単位で生き延びるための人間臭い生存競争にあるのが散見できた。2020/07/23
kenitirokikuti
10
いつもこじれている中東情勢。メモりつつ読んだ。重要そうなところを記す▲アメリカ指導者層はイラン(ペルシア)に厳しいが、いちばん問題があるのはサウド家ではないか? イランと北朝鮮を締め上げると、中国に接近させることになる▲トランプの支持層のひとつであるところの非・リベラルなキリスト教徒による身勝手な親イスラエル観、アメリカのユダヤ人にとっては気色悪い。またトランプ支持の中には反ユダヤな層もいる。しかし、ネタニヤフに代表されるイスラエルのユダヤ人は保守的であり、米ユダヤ人の感覚との隔たりが大きくなっている▲2020/01/01
lily
8
トランプ関連の書籍…というより、今なお国交が回復されていないイランとアメリカをめぐる中東情勢史。2020年11月5日現在、未だ決まらぬトランプvsバイデンの大接戦。トランプ2期目なるか。①アメリカは現在サウジ「アメリカ」と揶揄されるほどのエネルギー大国なため、中東の重要性は相対的に低下。②イスラエルとイランは対立関係だが、キュロス2世がバビロン解放をしたことから歴史関係は好意的。③アメリカのイラン嫌悪は、イラン革命によるイスラム教化に加え、同年に起こったイランアメリカ大使館人質事件も大きく関係している。2020/11/05
mstr_kk
6
中東問題の第一人者が、現在のイランとアメリカの関係について(ソレイマニ殺害以前ですが)、とてもわかりやすく解説してくれる本です。とても勉強になりました。2020/04/20
geki
5
この本を読んでいる最中にトランプ大統領がソレイマニ司令官を殺害し、呆然としてしまった。この著作は、イランとアメリカとの不幸な歴史、アメリカとイスラエルとサウジアラビアのイランを巡る思惑が明確に描かれているが、イラン本というよりアメリカ本。問題あるのは、イランというより反イラン側。この本が書かれた時点でも既に事態は悪化してしまっているのに、たった今最悪の事態を迎えてしまった。ここまで悪くなってしまった現在、発言力の乏しい日本には残念ながら為す術がない。世界が踏みとどまれるよう冷静な判断を心より切望する。2020/01/05
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