内容説明
足利尊氏を支えた執事高師直。戦前は南朝忠臣の好敵手として、戦後は尊氏の弟直義の政敵として常に悪人イメージがつきまとい、いまだにその評価は低い。『太平記』につづられた悪行の数々ははたして本当なのか。軍事面だけでなく政治・行政の側面から幕府基盤の確立に貢献するなど、卓越した改革派政治家として再評価し、栄光と没落の生涯を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ようはん
20
高師直はそこまで南北朝時代を知らなかったせいもあり、正直な話これまで漠然ながら悪役としてのイメージしか無かった。しかし経歴を見ていくと武将としての軍事能力の資質、実務官僚としての能力と実績は高く尊氏に信頼されるというように南北朝時代屈指の一流の人物であった。政争に敗れて悲劇的最期を遂げたばかりでなく後世まで悪役扱いされるのは気の毒になる。2021/11/21
サケ太
19
高師直が好きなんです。具体的にどのような事を行ったを知ることで、更に好きになった。戦に、政治に、足利家になくてはならない存在だった師直。そして、他の高家の人々。彼の役目が後に管領として受け継がれていくのも興味深い。2021/02/14
六点
17
かつて『太平記』で柄本明氏が演じた、とらえどころのない汚れ役と言った印象であったが、本書で描かれる高師直は大御家人足利氏の柱石の一族に生まれ、戦上手で機知や諧謔味を持ち、和歌もこなす文化人であるけどスケベという魅力あふれる人物として描かれている。混乱を極めた建武の新政の後始末を施行状発行により強制力を担保させるという新システムまで作り出し、室町幕府の管領という存在まで創り出したのである。忠実な足利氏執事であったことが彼の限界でもあった。騎馬像の像主については、作者の高師直愛の迸りを感じる事ができる。2019/08/17
bapaksejahtera
14
南朝正統論や忠臣蔵の影響から長く悪役視された高師直像は、太平記等偏頗した史観に基づく歪曲であると一次資料を用いつつ論証する。「高」は藤原や源と同様「氏」で、嫡流はそれのみを称し、ついに苗字を立てなかった。インテリ師直は戦巧者。政治・公文書制度の確立、これに基づく武士層の支持の取付けは果たしたが、伝統的武士層と異なり所領に基づく苗字を定めなかった。ここに高家は鎌倉幕府に於ける北条得宗と異なった一因がある。長く尊氏とされた騎馬武者像には、主人公の頭上に足利義詮の花押が据えられている。紋も高氏家紋である。良書。2021/09/14
中島直人
14
室町時代で一番好きな武将。著者の師直に対する愛情?がひしひしと伝わってくるようで、読んでて楽しい、面白い。2017/05/01
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