内容説明
ケンカ・キリノの真骨頂といえる初のエッセイ集。
直木賞受賞直後の多忙な日々を綴った日記や書評、映画評、いわれなき中傷に対して真摯に真っ向から反論する表題作の長篇エッセイに加え5篇のショート・ストーリーも収録。
デビュー以来10年の軌跡をまとめ、小説では味わえないストレートな「桐野夏生」の魅力がぎっしりと詰まった著者初のエッセイ集。
解説・東野圭吾
※この電子書籍は2008年1月刊行の文春文庫を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
74
「ところが、人はなぜか現実を必要以上に分かりやすく説明しようとする傾向がある。(中略)そういう話を聞いて、さして心を動かされないのは、「よくある話」であって、「リアル」とは思えないからだ。そこでは小さなため息程度の実感さえも失われるのである」。素晴らしい作家でもエッセイはいまいち、ということはままあるが、この本はよかったな。小説に対する愛が論理で語られていることや、時代を切り取る視線、そして死生観など、ここまでクリアに語れるか、と。感覚を言葉にすることへの信念と、定義をためらいなく与える潔さに感動です。2020/10/19
リキヨシオ
40
桐野夏生さんは「かっこいい」小説家だと思う。そして小説家という仕事に高い誇りを持ち、人間や物語を創造する楽しくも苦しい作業にすごく責任感を持っている。一部、作家は「簡単に文章を書いて楽にお金を稼ぐ」「文章だけ書いてればいい」という偏見や作品の批評に見せかけた作家個人への人格否定などもある。小説家として面白い作品を創造し続ける事に常に誇りを持っているからこそ桐野さん自身の批判に対する文章はものすごく正論で小説家という仕事の奥深さと作品を生み続ける苦しみ、そして桐野夏生自身のかっこよさが凝縮されたエッセイ集。2015/12/17
優希
39
様々な角度から桐野さんの世界を楽しめました。2022/07/05
nstnykk9814
17
なんだか、おどろおどろしいタイトル。著者初のエッセイ集。出だしの直木賞受賞から1ヶ月の日記なんかは、へぇ~と思いながら、意外に普通だななどと思っていたが、タイトルと同名の最後の章で驚いた。自作とかつての「ミステリーは弁当箱」発言をけなした評論家や匿名評論への反論、宣戦布告の連載だった。このまっすぐ戦闘的なスタイルが作品にも反映されているのだなと妙に納得。ほかに書評もたくさん載っていて、なかなかお買得の一冊だった。まあ、それを新古書店で買った私を作者は絶対良しとはしないだろうけど。2016/06/12
シロー
12
前半のエッセイからは御自身の作品への思い入れが伝わる。特に『OUT』に賭けた意気込みには鬼気迫るものを感じた。書評・映画評は好みの作品が無く正直、退屈。短編がイマイチなので期待してなかったショートショートが思いの外センスが良くてイイ感じ。タイトルの白蛇教異端審問では髭(匿名)氏と関口苑生氏の誹謗中傷(引用部分に関する限り論評とは思えなかった)に対する反論というか宣戦布告。現在では完全に市民権を得たイヤミスも先駆者の言われなき悪意との戦いがあったればこそと考えると桐野さん最高にカッコイイしハードボイルド。2016/12/30
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