内容説明
十世紀に産声をあげたポーランド王国は、十四~十六世紀に隆盛を極めるが、王朝断絶後、衰退に向かう。十八世紀、ロシア・プロイセン・オーストリアによる分割で国家は消滅。第一次大戦後に束の間の独立を勝ち取るも、第二次大戦中にはドイツとソ連に再び国土を蹂躙された。冷戦下の社会主義時代を経て一九八九年に民主化を達成。潜在力を秘めた地域大国は今、どこへ向かうのか。栄光と悲運に彩られた国と民族の歴史。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
香菜子(かなこ・Kanako)
49
物語 ポーランドの歴史 - 東欧の「大国」の苦難と再生。渡辺克義先生の著書。第二次世界大戦が始まったのはナチス・ドイツがポーランドに侵攻したことが直接のきっかけ。中世には隆盛を極めていて、歴史的にも重要なポーランド。でもポーランドの歴史について詳しく語れる日本人は多くないと思います。ポーランドの歴史を一から学べる良書。2018/12/11
molysk
44
中世から現代にかけてのポーランドの通史。中世はリトアニアと連合王国となり東欧の強国であったが、選挙王政の不安定さなどで勢力を弱め、18世紀末にロシア・プロイセン・オーストリアに分割されて消滅する。第一次大戦後に独立するも、第二次大戦でドイツに占領され、続くソ連の解放で冷戦下は共産圏に属する。ソ連崩壊後はEU加盟で経済発展を目指す。ドイツ・ロシアなどに挟まれ、自然の要害もないポーランドは、強国による蹂躙を受ける宿命にあった。独立を失っても、抵抗を繰り返す不屈の精神が、ポーランドの国民性といえるのではないか。2020/03/27
skunk_c
39
著者自身が認めているように、近現代、特に第2次世界大戦の頃については詳しく、また興味深かった。しかし特に18世紀末から100年以上続く消滅時代の前については、人の名前だらけでちょっと読むのがしんどかった。一方ソ連の影響下に入ったあとについては、政治的動向は何となく読み取れたけれど、社会制度や生活面については今ひとつだった。特にポーランドは農業の集団化をやらなかったはずなんだが、そのあたりの記述が全く見当たらない。一方章末のコラムは映画などを取り上げ面白かった。1国の通史をコンパクトにするのは難しいようだ。2017/11/13
もりやまたけよし
28
歴史の教科書に時たま登場するくらいの知識を補強する意味でポーランド史を読んだ。ナチスとソ連の時代だけでなくずっと抑圧されていたんですね。2023/02/16
かごむし
28
ドイツがソ連と不可侵条約を結んでポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発したり、逆にソ連がポーランド人将校を大量に虐殺したカティンの森事件など、なんでこんなにひどい目に合うんだろうと歴史的に少し興味のある国ではあった。ポーランドの歴史は、近隣強国に引き裂かれた受難の歴史であり、こういっては不謹慎にあたるのかもしれないが、起伏に富んだ一国の歴史がそのまま面白い読み物となること自体が、珍しいことであると思った。知識不足を痛感したのは、アウシュビッツもワルシャワも、本書を読んでポーランドのことだと知ったこと。2018/09/14
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