新潮文庫<br> ゆびさきたどり(新潮文庫)

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新潮文庫
ゆびさきたどり(新潮文庫)

  • 著者名:花房観音【著】
  • 価格 ¥539(本体¥490)
  • 新潮社(2019/11発売)
  • ポイント 4pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101205830

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内容説明

十年ぶりに再会した昔の男。年下の彼が、年を重ねた私を「変わらない」と抱き寄せる。久々の体の重みと秘部を這う舌の感触に、疼(うず)きも潤みも蘇り――(「枯れ菊」)。「ネクタイ目隠し」「ストッキングで両手拘束」親友チルがSNS に綴る“運命の彼氏”との情事にカオルは驚く。それはカオルが彼に教えた前戯であり、まだ彼との関係も続いていた(「オンナの友情」)。艶やかに溢れ出す極上欲情短編集。(解説・門賀美央子)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

179
花房 観音は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。読み続けて、文豪官能短編集も第三弾となりました。どの短編も原作を上手く料理し、艶っぽくなっています。オススメは、坂口 安吾の『桜の森の満開の下』を題材にした『桜の里』&夏目 漱石の『坊ちゃん』をエロアレンジした『ボッちゃん』です。【読メエロ部】 2019/07/26

じいじ

108
文豪名作シリーズ第三弾。今作は漱石『坊ちゃん』、武者小路『友情』…など五つの近代文学の名作が下敷きになっています。残念ながら、原作は『坊ちゃん』しか読んでいませんが、無性に原作が読みたくなりました。私のイチ押しは、林芙美子の『晩菊』を原話にした【枯れ菊】。大人の女の欲望、欲情を描いた作品。愛人として生きた女の剥き出しの半生…、侘しい結末が感慨を一層深めます。『坊ちゃん』を原話にした【ボッちゃん】はとても愉快で、笑いが止まらない喜劇です。主人公は、童貞の(勃起のボで)ボッちゃん先生です。マドンナもいますよ。2019/07/10

まさきち

91
文豪の作品を題材に展開される花房観音ワールドを集めた一冊。同様の作品に比べ、今回はエロ描写よりもストーリー全体に目を引かれた印象で、いつもとはちょっと違う印象を得た感じ。でも充分に楽しめた一冊でした。2019/10/03

ナマアタタカイカタタタキキ

79
性と何かを結びつけてここまで昇華できるって物凄いことよね。大半が性欲の猿であるティーンズの男子諸君も見習った方がいい。いや、実際にそのエネルギーでもって将来的に何かを成し遂げる人も少なくないか。私の周りのデキる人も性欲お化けは多い──そんなことはさておき。一作目の坂口安吾のオマージュのように、何かこうゾッとするようなものと性表現は相性が良いものと思ってる。そもそも女が心身に抱えてる、ほの暗い奥行き自体が前者に当てはまるけど。時に女自身がそれをもて余してたりするから面白い。あ、肝心の感想を書くには字数が足り2021/06/26

ベイマックス

77
エッチかったな(笑) 男も女も人それぞれ。この小説を読んで、女の人ってこうなんだなんて思ったら危険だよね。◎5つの短編。それぞれ元とした小説があるとのこと。「ボッちゃん」が夏目漱石の「坊ちゃん」は分かったけど、「桜の里」が坂口安吾の「桜の森の満開の下」と「オンナの友情」が武者小路実篤の「友情」ってのは分からない。再読の必要ありですね。残りの2作品は読んでない。◎素敵な生き方・年齢の重ね方の女性の登場人物ばかりで、男についてももう少しかっこよく描いてほしいな……。2020/08/08

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