内容説明
ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い。
2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。
「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。
著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。
※本書は過去に単行本版として配信された『小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~』の文庫版です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きょちょ
22
クロネコヤマトの宅急便の創始者で名経営者の一人と言われる小倉昌男。 彼はなぜ宗派を変えたのか、なぜ福祉財団を創設したのか、そういったことをサスペンス調に綴っていく。 しかし、その原因が妻や娘の精神的病理からだと解き明かされても、彼に同情はするものの、それ以上のものは感じてこない。 ノンフィクション大賞の作品だが、彼のプライベートを暴露したようにも感じられて(何もこんなこと書かなくても良いだろうと)しっくりこなかった。 ★2024/01/31
あまね
22
数年前に単行本で読んでとても面白かったので、文庫版を見つけたのを機に購入しました。再読してまず思ったのが、コロナ禍のこの三年余りの時間がそうさせたのか、今回は一時代前の話のように感じてしまいました。読む時期と状況によって、同じ本でも違った印象になることを改めて感じました。それでも、福祉の道に進んでいく小倉氏の不器用で繊細な家庭人の姿、信仰の道、福祉と経営を掛け合わせる力には感服します。また、社会のインフラに欠かせない宅急便のシステムを作ってくれた小倉氏に敬意を表するとともに感謝も致しました。2023/01/12
スプリント
7
経営の部分ではなく小倉昌男氏の生き方をクローズアップした内容でした。2019/12/30
多分マグマグ
3
うーん、何か刺さらなかった2024/03/12
夏野菜
3
宅急便の生みの親であるヤマト運輸の元社長・小倉昌男さんの私生活を死後、ノンフィクションとして暴いた本。人の苦悩に気づき、作品としてまとめ、賞も取ったとのこと。読んでて引き寄せられる。著者は作家として素晴らしい力を持っていると思う。だけど、読み進めるのが時々辛くなる。なぜだか、後半特に、好きになれなかった。以前読んだ、小倉昌男さん自身が書いた経営学という本は大好きだ。そちらの方はまたいつか読み直したい。2020/04/27