文化がヒトを進化させた - 人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉

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文化がヒトを進化させた - 人類の繁栄と〈文化-遺伝子革命〉

  • 著者名:ジョセフ・ヘンリック/今西康子
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 白揚社(2019/11発売)
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  • ISBN:9784826902113

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内容説明

:::::::生物学、人類学、心理学、社会学の世界的権威が絶賛:::::::


ヘンリックは進化の考え方に革命を起こした
ジョナサン・ハイト『社会はなぜ左と右にわかれるのか』著者


ヒトの進化と行動に関する主要な問題に、斬新かつ価値ある視座を提示する
アレックス・メスーディ『文化進化論』著者


生物学、人類学、経済学、心理学のはざまから、人類社会の繁栄を説明する新しいアプローチが登場した。……このパラダイムを俯瞰する出色の書
ジェイムズ・ロビンソン『国家はなぜ衰退するのか』著者


ヒトの集団脳はいかに誕生し進化したか? この問いに答える緻密な理論を物語を紡ぐように語る
マット・リドレー『進化は万能である』『繁栄』著者


革命が起きつつある社会科学で、ヘンリックは最前線を走る
ダロン・アセモグル『国家はなぜ衰退するのか』著者


ヒトを謎多き動物にした、遺伝子と文化の進化プロセスをめぐる魅力的な書
マイケル・トマセロ『ヒトはなぜ協力するのか』著者


人類の起源に関心のある人には必読の書
ロバート・ボイド『ヒトはどのように進化してきたか』著者


文化は長い年月をかけて人間をつくり変える進化的装置だ
ピーター・リチャーソン カリフォルニア大学デーヴィス校教授

目次

はじめに


第1章 不可解な霊長類


第2章 それはヒトの知能にあらず
サルとヒトではどちらが勝つか
チンパンジーと大学生の記憶力
駆け引き能力に優れているのはどちらか


第3章 遭難したヨーロッパ人探検家たち
バークとウィルズの遠征
ナルバエス遠征隊
たった一人で置き去りにされた女性


第4章 文化的な動物はいかにして作られたのか
スキルと成功実績
プレスティージ(信望・名声)
自己との類似性――ジェンダー(性別)とエスニシティ(民族性)
年寄りの博識
他者の動向をうかがう同調伝達
連鎖的自殺
メンタライジング能力は何のために?
学び方を学び、教え方も学ぶ


第5章 大きな脳は何のために?――文化が奪った消化管
大きな脳、速い進化、遅い発達
消化機能の外部化――食物調理
道具がヒトを弱々しい太っちょに
ヒトを長距離走者にした水の容器と獲物の追跡
動植物についての思考と学習


第6章 青い瞳の人がいるのはなぜか
米の酒とADH1B遺伝子
ミルクを飲める成人がいるのはなぜか
文化-遺伝子革命
遺伝子と人種


第7章 信じて従う心の起源
授乳中および妊娠中の食のタブー
トウモロコシに灰を加えるのはなぜか?
占いとゲーム理論
「過剰模倣」の実験
本能の克服――トウガラシはなぜ美味しいのか
自然選択に勝るとも劣らぬ遺伝的進化の牽引者


第8章 プレスティージとドミナンス、生殖年齢を過ぎたあと
プレスティージとドミナンスの主な要素
プレスティージの高い人はなぜ物惜しみしないのか
プレスティージと年寄りの知恵
生殖年齢を過ぎたあと、文化、シャチ
リーダーシップとヒト社会の進化


第9章 姻戚、近親相姦のタブー、儀式
社会規範と共同体の誕
親族社会から親族システム社会へ
狩猟採集民の社会性および協力行動


第10章 文化進化を方向づけた集団間競争
集団間競争はどれくらい古いのか?
狩猟採集民の勢力拡大
太古の時代の勢力拡大


第11章 自己家畜化
利他的行動とトウガラシのどこが似ているのか
規範が生んだ民族の固定的イメージ
ヒトはなぜ血縁個体間の互恵的利他性が強いのか
戦争、外的な脅威、規範の遵守


第12章 ヒトの集団脳
さあ実験だ!
実世界での集団の規模と相互連絡性
タスマニア効果
実験室のタスマニア
幼児 対 チンパンジーおよびオマキザル
生まれつき賢いのはネアンデルタール人?
道具と規範がヒトをより賢くする


第13章 ルールを伴うコミュニケーションツール
文化的に適応するコミュニケーションレパートリー
複雑度、伝達効率、習得しやすさの文化的進化
手指の器用さ、規範、身振り、および音声の相乗作用
複雑な系列動作を学習するための遺伝子と脳
文化、協力、そして行動が言語よりも雄弁なわけ


第14章 脳の文化的適応と名誉ホルモン
ワイン、男性、歌
ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ばたやん@かみがた

90
面白い。ヒトの文化・文化的産物は、ヒトの遺伝的進化が終わってから出来したとするのが、これまでの定説。それに対して、本書は「いや、ヒトをヒト足らしめたのは、その文化的活動や産物であって、それらがヒト独自の遺伝的進化をもたらした。」と“挑発”するのですから。尤も、扱われている論拠や援用されている学説は今や馴染みに成っている信用の置けるものばかりです。また、要所で判りやすい図表を入れ、更に各章の最後には必ずまとめが入り、やや大部の著作ですが初学者にも納得して論を追えるよう随所に工夫が為されてます。(1/5)2020/12/13

まいこ

17
ヒトは個体が特に賢いわけではないが、集団の中で蓄積してきた知恵や技術をシェアする集団脳としては賢くなった。集団の人口が多く平均寿命が長く相互連絡性があるほどに集団脳は賢くなる。賢いが孤立しがちで知恵のシェアの少ないテンサイ族と、賢くはないが友人を多く持ち情報のやり取りの多いチャラい族では、後者のほうがイノベーションが普及しやすいという。占いで狩りをする場所や耕作地を決定するのは、サピエンスが陥りがちな認知バイアスを排除してランダム化する丁度よい方法で、そういうのを信じる部族が残ってきた話が面白かった。2020/05/29

Hiroo Shimoda

14
文化と遺伝子の「共進化」の考察。ヒトは他の動物と違い集団から学ぶことで生き残る生物。乳糖耐性のように、文化が遺伝子レベルに影響する。幼児がオトナの真似をするのも当然。2020/08/22

テツ

13
人間の進化は築き上げた文化と共にある。時間をかけて世代を繋ぎ、徐々に肉体を環境に適応させていくよりも、その環境に見合った道具を創造する方が手っ取り早く効率的であり、その道具で補える部分は生きるために不必要なので削ぎ落とされていく。火を扱えるようになり食材を煮炊きすることで効率良く栄養を補給でき、衣服を着て保温や防護が容易になり、言語を生み出したことで生きる上での様々な知恵を一代で終わらせることなく他者や次の時代に受け継がせられるようになった。ああ確かに文化の積み重ねは人間の進化と絡み合っている。2022/05/01

izw

13
人間が現在のように高度に進化したのは何故か、何が他の動物とは違うのかを探求し続けた著者の主張をまとめている。ヒト個体の能力・知能には限界があり、ヒトの進化を支えているのが文化である。この文化の進化こそが、ヒトの進化を加速させた原動力となっていることを様々な研究成果を根拠に論証している。文化進化がヒトの生物的・遺伝的進化を引き起こし、生物的・遺伝的進化が文化進化を加速するという好循環がヒトをここまで進化させた。その循環が最初どうやって起こったかについても一つ一つ論証を重ねている。非常に興味深く、面白い。2020/03/08

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