新潮新書<br> 近代建築そもそも講義(新潮新書)

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新潮新書
近代建築そもそも講義(新潮新書)

  • ISBN:9784106108334

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内容説明

日本の近代建築が直面した最初の難題は「脱ぐか否か」だった。一八五七年、米国総領事ハリスは江戸城登城を許される。土足のハリスを迎えたのは畳に敷かれた錦の布と、その上で草履を履いた将軍家定。以降、公的な場は「脱がない(土足)」が原則となる――。「和」の建築は「洋」をどう受け入れてきたか。銀座煉瓦街計画、国産大理石競争、奇妙でアヤシイ洋館群、日本に溺れた英国人教授等、建築探偵・藤森教授が語る全68話。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ホークス

44
2019年刊。明治以降に起こった建築の大変化を解説。明治政府は東京都心の火事を防ぐため、金持ち用だった瓦葺きを全戸強制。それを建築警察が取り締まる。ガラス窓が、酷く暗かった日本家屋を明るくした。決め手は板ガラス技術の普及。土足の西洋建築はどのように受容されたのか。まず日本家屋に洋館部分が併設され、退化して応接間となり、さらに応接セットに行き着く。橋渡ししたのはスリッパ。擬洋風建築が続々と建てられた経緯はかなり複雑。山形の済生館と金沢の尾山神社がその極地という。明治建築に多いイスラム意匠の謎解きも面白い。2021/01/18

さきん

32
素足、土足上がり混在、日本にしかないスリッパの謎。鹿鳴館の意義と奇妙なイスラム意匠について。アメリカの建築技術屋からイギリスからコンドルが来て建築家が成り立つまで。レンガも中国の黒いレンガからフランス積み、イギリス積みの違い。明治初期の和洋混合の混乱した建築が今となって魅力的。日本の近代建築を読み解くには、古代ギリシャのドーリア式から見ないとわからないぽい。2021/12/14

kumako

21
日本家屋の使いにくさをカバーする為に西洋建築の一部を取り入れた話や西洋建築に必要な材料“石と煉瓦”の調達方法の話、なるほど〜と感心しながら読みました。イラストや写真の掲載がないので逐一ネットで調べながら読みました。その中で一番印象的だったのが、西洋建築を完コピできるようになる前の、日本の棟梁が編み出した和洋折衷の建造物。なんとも言えない「ごった煮」感!!こんな作品があるんですね。香港あたりに存在しそうな面白い建物…色々知れて良かったです。2020/11/07

ophiuchi

14
明治維新後の日本がどのように西洋建築を取り入れてきたかという視点で書かれていて、見てみたい建物が増えました。2019/12/11

ひろみ

13
主に明治期の建物とそれを作った人々の歴史が書かれています。色々難しい箇所は読み飛ばし、、知っている建物が出てきたりしておもしろかったです。 明治期、西洋化のひとつとして洋館を家に造った人たちは、和館も残し、その行き来のためにスリッパを用いた、と。そこでまさかのガラスの靴を履いたシンデレラの話が登場してまた面白い。コンドル先生は「美を意識して作られた建築をアーキテクチャーといい、実用性だけではビルディングに過ぎない。」と言ったとか。そうなんだ〜。筆者も関わったという、江戸東京たてもの園行きたいなぁ。2022/04/21

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