内容説明
殺人事件の被害者と加害者。双方から事件について語られる、異色のミステリー。「エンターテインメントの域をはるかに越え出た力業である」と評され、事件の当事者の心理に深く食い込み、それらを圧倒的な描写力で表出させる著者の真骨頂が発揮された傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
32
私には被害者は殺されても仕方ない勝手で無神経な男としかわからなかったけどな…2019/12/02
ちょん
28
すごい本でした。なんという幼稚な感想…。友人を殺した男の独白の「殺意」と、殺さた男の意識を失うまでの走馬灯を書いた「鬼哭」。殺意のラストシーンには震えたし、謎は謎のままだし。読み終わってから「鬼哭」の意味を調べならなんかすごくスッキリした(笑)2022/08/03
なっち
25
殺した側の『殺意』と殺された側の『鬼哭』の2本立。殺意の方はとにかく動機が明かされない限りは罪を認めても許してもらえないという、いかに世間が納得のいく理由を求めているかがわかる内容。『鬼哭』は刺されて意識がなくなるまでの3分間の走馬灯の想い。このわずか3分間の回顧録をすごいページを割いて書ける乃南さんがすごい。2024/12/16
かおる
22
「殺意」が殺した側、「鬼哭」が殺された側の心理を細やかに描いていた。ストーリーはほとんどなく、心理描写だけで一冊書けるなんて本当にすごい。2020/11/19
うららん
21
乃南アサは学生時代読書にはまるきっかけになった作家の1人。10年ぶりに読みました。本作は兄弟のようで親友でもある二人の男が一方を殺し加害者と被害者となる。『殺意』は加害者となった真垣、『鬼哭』は殺された的場の心の声をずっと聞かされているような内容で決して楽しいものではありませんでした。★★☆☆☆2019/11/18
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