事実はなぜ人の意見を変えられないのか - 説得力と影響力の科学

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事実はなぜ人の意見を変えられないのか - 説得力と影響力の科学

  • ISBN:9784826902137

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内容説明

人はいかにして他者に影響を与え、他者から影響を受けているのか?
教室や会議室といったリアルな場所からネット上のSNSまで、私たちはみな、毎日何かしらのかたちで他者に影響を与え、また受けながら生活をしています。
しかし、私たちはその重要な行為についてどれだけ自覚的なのでしょうか?
もっと上手に他人の意見を変えることはできないのでしょうか?

本書では、「客観的な事実や数字は他人の考えを変える武器にはならない」など、認知神経科学が近年発見した数々の驚くべき研究結果を示し、他人の説得しようとするときに私たちが陥りがちな罠と、それを避ける方法を紹介します。
イギリス名門大学教授が教えるとっておきの「説得の技法」、ぜひご一読ください!
*2018年 イギリス心理学会賞受賞作

目次

はじめに――馬用の巨大注射針

1 事実で人を説得できるか?(事前の信念)
データでは力不足/賛成意見しか見えない/グーグルはいつもあなたの味方/賢い人ほど情報を歪める?/なぜこうなってしまったのか/投資と信念/新しい種をまこう

2 ルナティックな計画を承認させるには?(感情)
同期する脳/感情という名の指揮者/カップリング/気持ちを一つに/インターネットの扁桃体/あなたの心は唯一無二?

3 快楽で動かし、恐怖で凍りつかせる(インセンティブ)
手洗いと電光掲示板/二人の主権者/接近の法則と回避の法則/進むべきか、止まるべきか/期待が行動を導く/「死んだふり」/いますぐちょうだい!/未来はあてにならない/脳の自動早送り機能

4 権限を与えて人を動かす(主体性)
恐怖vs.事実/コントロールを奪われて/納税はなぜ苦痛なのか?/「選ぶこと」を選ぶ/選択の代価/健康で幸福な老人/自分で刈った芝生は青い

5 相手が本当に知りたがっていること(好奇心)
ギャップを埋める/情報は気持ちいい!/良い知らせ、悪い知らせ/知らぬが仏/頭の中の巨大計算機/知らずにいることの代償/エゴサーチが怖い

6 ストレスは判断にどんな影響を与えるか?(心の状態)
プレッシャーが招く悲観主義/弱小チームはなぜ安全策を選ぶのか/リスクの冒し方/扁桃体を手なづける/晴れの日とギャンブル

7 赤ちゃんはスマホがお好き(他人 その1)
生まれた日から始まる社会的学習/シンク・ディファレント?/メルローを注文する奴がいたら俺は帰る!/アマゾンレビューを操作する/他人の意見と記憶の改変/最初に飛び込むのは誰?/心の理論

8 「みんなの意見」は本当に正しい?(他人 その2)
多ければ正しくなる?/人間体温計/わが道を行くことの難しさ/個人の中の賢い群衆/雪だるま式に膨らむバイアス/平等バイアスにご用心/びっくりするほど人気の票

9 影響力の未来
二つの脳をつなぐワイヤ/私の思いがあなたを動かす/私は私の脳である
謝辞
訳者あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けんとまん1007

79
タイトルに惹かれて読んでみた。目から鱗が落ちることが、いくつもあるし、なるほどと納得。人は自分の知りたいことだけ知りたがるし、受け入れやすい。この視点をベースに考えると、いろいろな場面がわかりやすくなるし、何故そうなのか?も腑に落ちる。それは、こちら側の準備にも繋がり、心の余裕にもなる。やはり、人間は面白い!2020/09/23

Aster

56
面白くて1日で読了した。まぁ〜気付くことがたくさん。言われてみれば当たり前かもしれないことだってなかなか気づくことは出来ないし、この本の要旨に照らせて言えば、言われても気付くことだって出来なかったのかもしれない。論理的に言って証拠を提示しても同意出来ない人は沢山いる。それは頭の悪さというより人間としての本能。人間は理性に頼りすぎているのかなと。2021/03/30

ひこうき雲

53
人は感情の生き物。相手に何かをさせたいなら、事実ではなく感情に訴えることが必要。但し『事実で人の考えを変えられないということは、裏を返せば、事実でないもので人をコントロールできることでもあります』2020/08/04

booklight

47
【読友本】タイトルがうまい。認知バイアスと伝え方。医者である著者でさえトランプの言った「ワクチンが自閉症の原因」というでたらめに一瞬パニックになる話が秀逸①事実であっても自分に悪い事実は受け入れられない。相手とってよい事実となる方向から伝える②感情は同期しがち。自分の感情をコントロールして伝える③快楽が人を動かす。恐怖は動かさない④選択があるとやる気になる⑤良い知らせを知りたがる⑥ストレス下では悲観的になる⑦社会性は持って生まれる。人が興味を持つものは他人も興味を持つ⑧人は周りの意見に左右されやすい。2022/01/23

99trough99

25
これは大変参考になる本だった。相手の行動を変容させたいと思う際に、客観的事実だけ突きつけても、様々な「聞きたくないバイアス」に相手が苛まれている場合には、突きつけた事実は耳に届かない、ということ。こういう場合人は得てして相手に対し、「情報弱者だから...」「エビデンスに基づいた科学的思考ができないから...」とダメ出しをしてしまう傾向があるが、そうではなく、どのようにすれば耳に届くか、そのために相手の脳の働きを決定づける要素について知りましょう、というもの。うまく取り入れられるよう、工夫していこう。2022/09/03

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