内容説明
金銭に細かく、けちで厚顔な徹底した仕事第一主義のビジネスマン。そんな上司の人間味と悲哀を部下の好意の目でとらえた表題作。偏執的なパトロンの籠から翔びたとうとするバーのマダムの重い人生を描いた「三宅坂渋滞」。ほかに、「時雨るゝや」「逃げの平賀」など、男と女の出会いと別れの人生を、著者独特の息づかいの中に描く、全９編を収めた絶妙の傑作短編集。
感想・レビュー
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towerofthesun
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吝嗇な上司「単身赴任」、東京郊外に店を出すママとの一夜「三宅坂渋滞」、家族ぐるみの付き合いのあった娘との逢瀬「靴と蒟蒻」、急逝した友人の残した愛人「木犀」、同窓会に現れなかった彼女の事情「時雨るゝや」、銀座の店で交わされる2人の愛人についての話「恋愛論ふうに」、知らず20年間も夫が浮気をし娘も作っていた「ママ」、思いのほか長く続いた不倫関係の行末を思いつつ友人の親心「南瓜」、出生からライバルたちから妻の不貞から逃げ続けた騎手「逃げの平賀」。純愛だけでは終わらない男女の機微を活写した短編集。2022/09/29
