内容説明
●認知機能低下の予防および認知機能の改善に資することが報告されている24の食品因子について、機能性食品の開発の最前線で活躍中の執筆陣が、基礎研究データやヒトでの臨床データの最新動向を紹介。
●超高齢社会が直面する課題「認知症」の予防に向けて、食品がもつこれだけのポテンシャルをご覧ください。
<序より>
認知症を取りまく環境は,その患者の急速な増加によって大きく変わろうとしている。いまや70歳を超えた団塊の世代も,あと20年もすれば90歳となり,社会は高齢者が主体となる。このようななか,認知症の予防は日本社会にとっての急務であり,とりわけ食事に関する研究はますますその重要度を増してくる。本書では認知症の予防や治療に役立つと思われる栄養素や,食品,食事などについて詳しく解説した。これらの研究成果をもとに,安全性がすでに確立している食品などによる,予防を中心とした臨床応用が始まろうとしている。本書を参考にして,認知症の予防法や治療法がいち早く確立されることを期待している。(吉川敏一)
目次
第1章 認知症の基本知識
1. 認知症とその予防・進行抑制
2. 認知症と抗酸化-Overview
第2章 認知機能に対する食品因子のエビデンス
1. ビタミンE―トコフェロール,トコトリエノール
2. テアニン
3. 緑茶カテキン
4. β-クリプトキサンチン
5. ノビレチン
6. レスベラトロール
7. アスタキサンチン
8. ケルセチン
9. 認知症とリコペン
10. 認知症とフェルラ酸
11. ゴマリグナン
12. クルクミン
13. ホップの抗アルツハイマー病作用
14. イチョウ葉エキス
15. トウゲシバ(ヒューペルジンA)
16. PUFA(多価不飽和脂肪酸)
17. GABA(γ-アミノ酪酸)
18. ホスファチジルセリン―高齢者の認知機能の改善
19. カルニチン
20. コエンザイムQ10
21. α-リポ酸
22. ローヤルゼリー
23. ラクトノナデカペプチド
24. プラズマローゲン
第3章 認知症予防における食品の健康機能の展望
1. ブレインフード・ムードフードと予防医学―今後の展開
2. 認知症と医農連携