内容説明
「この世から上下を無くす」大志を抱いた天涯孤独の青年・十兵衛は、出自を偽り、武家と宮中の礼法に通じた「明智光秀」という武士として振る舞う道を選ぶ。己の夢を叶えるために。塗り固められたうそは「真実」へと変わるのか。――そこに信長の目が光る。2020年大河ドラマで最注目!戦国武将・明智光秀!ライトノベル界を席巻した風雲児が心機一転、挑む渾身の歴史小説!カバーイラストは大ヒット漫画『ベルセルク』の三浦建太郎!!「世の中の上下なんかくそくらえだ! すべてぶっ壊してやる!」熱い思いを抱いて諸国を放浪した天涯孤独の青年・十兵衛は、比叡山の僧兵に殺されかけたところを伊勢兵庫頭貞良という男に救われる。十兵衛の才を買った貞良は「明智光秀」という名を与え、名門伊勢家が確立した武家の礼法を伝授し、十兵衛を武士として仕立てる。室町幕府末期の混乱の中で頭角を現した光秀は、やがて信長と出会う・・・・・・!出自を偽り、名前を騙り、武士の振りまでして求めた「上下無き世」という夢。明智光秀の知られざる顔を描ききる、著者渾身の歴史小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あも
74
赤堀さとるってどこかで名前聞いたことあるなぁと思ったら、アニメやゲームの脚本家の人だった。てか自分にとっては『サクラ大戦』の人だ。かねてより書きたいと思っていたらしい歴史小説に初挑戦。選んだ主人公は明智光秀。没落した名門武家の末裔というのが定説だが、史実でも出自に不明な点の多い光秀(一般には没落した土岐源氏の末裔)を農民出身とし、伊勢貞良という室町幕府の闇のような男に見込まれ武士の身分を偽って出世していく姿を描く。読みやすさも設定も悪くはないが、"嘘"を守ろうと必死になる光秀の像に魅力は感じられなかった。2019/11/25
サケ太
30
「俺は上下のない世にしたい!」願いは死んだはずの伊勢貞良と出会い、形を帯びた。“嘘”をつくことで己の身分を変えて成り上がった光秀。願いを叶えるための“嘘”が光秀の運命と行動をがんじがらめにしてしまう。貞良、信長、秀吉たちの、光秀への評価。地下人だったとはいえ、世にでるべき才能の持ち主だったのは間違いなく、だからこそ重用されていた。光秀を演じきるために正しく全てを捨て去った男。最後にかけられた言葉が皮肉。日本史を学んでいれば誰もが知ってるが、今なおミステリアスな部分を残す人物を見事に物語に落とし込んでいる。2019/11/01
蒐
24
あのあかほりさとる氏がどんな小説を書くのかと思ってたら、がっつり手堅い歴史小説でびっくり!話やテーマは分かりやすいのでさらっと読了。本書の明智光秀は、名前と身分を偽り戦国の世を成り上がっていく。ただの流れ者だった光秀に色々と助言をするのが伊勢貞良という食えない男なのだが、彼の方がキャラが強烈で、光秀自身の主体性が弱く感じられたのがちょっと残念。自らの嘘に苦しめられた光秀だったが、嘘のない彼を受け入れてくれる人もいたはず…と思うとラストが切ない。今年の大河ドラマでもあるが、実際に謎の多いその人生は興味深い。2020/01/14
みいやん
9
嘘の恐ろしさを史実とは違うかもしれないもうひとりの光秀を通じて味わえた。2019/12/13
METHIE
6
あかほりさとるの名前を知らない読書家は恐らくはいないだろう、 90年代、アニメ、漫画、ゲームなどサブカルを牽引していき、今で言うテンプレと揶揄されがちな内容ではあるが、それでも業界を引っ張ってきたのは事実だろう。 そんな彼が明智光秀をテーマにした作品を書きたい、という思いは昔から持っていて、 50を過ぎて羞恥心が無くなり、書き始めたのが本作。 氏の作品に触れたことはあってもこうやって初の歴史小説を読むのはもちろん初めてだが、一つの嘘の為に嘘や裏切りを行い、最後には皮肉な末路を辿る。意外とドライな側面を見た2019/10/31
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