内容説明
「唯才主義」の曹操、「情義と志」の劉備、「地縁血縁」の孫権。なぜ、魏が勝ち、蜀は敗れ、呉は自滅したのか? 国のかたち、制度、社会が大きく変わるなかで、時に熱く、時に冷酷な三国時代の人事。乱世を生きた英雄たちの、変革期の「身のふり方」に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フク
21
後漢末から西晋までの人事制度を通して三国志を読み直す。劉備が負け戦で家族を見捨てること、孫策が自らの領地で殺されたこと、姜維の孤立などの背景が理解できる。2019/09/15
ようはん
13
読んでて難しい内容は多いが、人脈作りとそれを生かし纏めた諸葛亮の偉大さが分かった気がした。2020/01/25
アカツキ
11
充実した内容で面白かった。孫呉の君主と名士たちの引いたら負けの意地と意地の張り合いは何度読んでも面白い。孫権や孫晧から「だって朕のこと全然敬ってくれないんだもん」と泣き言が飛び出すが、散々配下を殺しまくって(殺すのを断念した相手は左遷)からの言葉で同情できないなぁ。巻末資料のおかげで三国志のシミュレーションゲームで君主が度々くれる爵位の地位と役割がわかったのは嬉しいオマケだった。2021/12/11
ジュンジュン
10
故国を遠く離れても、強固なコミュニティを維持し続ける華僑。中国人の人的ネットワークは、長い歴史に育まれた処世術の賜物。やがて貴族制へと昇華する”名士”が活躍する三国時代も同様。人事権を握りたい君主と自律性を維持したい名士とのせめぎ合いとして、魏・呉・蜀、晉の特徴を分析する。感じるのは、曹操の革新性、孫権の苦悩、そして、諸葛亮に全権を委ねる劉禅の偉大さ❓❓❓2022/10/24
CTC
10
6月の朝日選書新刊。著者の中公新書の『三国志 演義から正史へ』は大変面白く発見のある好著だったが、本書はそこで記されていた権力と名士の関係軸を更に深掘りしたものになる。後漢の人事制度を知らなくても三国志は楽しめるが、知ればより愉しめる。例えば諸葛亮が馬謖を斬ったのは、私心なく信賞必罰を厳然と行う事を明示して綱紀粛正を図る意図と語られるが、第一次北伐の頃には蜀漢は益州出身者が中軸を占めていて、自身と同じ荊州名士は数少なくなっていた。故に馬謖起用は益州の人々からは特別な目で見られた、と考えると理解は深まる。2019/07/18
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