内容説明
アテネの貴族のタイモンは、気前よく散財しすぎて破産。金が尽きるや非情になる友人らを前に、人間世界に絶望する。隠居した森の洞窟で大金を見つけ、唯一の友アルキビアデスのアテネ復讐に力を貸すが――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Viola
6
救いのない話だったけど、これ好き。特に、食べて憎めのところ。(116ページ)注を読んでこの皮肉屋の哲学者が一気に好きになった。2020/01/14
ももいろ☆モンゴリラン
1
「突然の韻文」「ここから散文」の注釈があちこちに見られる。シェイクスピアと誰かの共作で、しかも未完の可能性があるほど、狂気の裏で破綻したストーリーが放置されている。でも本筋は、実は本音で己に話してくれていたのは忌み嫌っていたアペマンタスのみであったということですね。2024/03/20
とむ
1
図書館本。破滅してもいいから一回大金持ちになりたい。2020/03/04
けい
0
タイモンが薄情な友人に裏切られてから、人間を恨み嘆き悲しみ続けるシーンがあまり好きになれなかった。タイモンという人間がなぜあんなに純粋に自分の理想を信じ、他人に押し付けることができたのかという点が気になった。また、この作品はシェイクスピアとミドルトンの共作と考えられているおり、欠落や削除するつもりだったであろう部分などがあるという。そのあたりを書いていたあとがきも面白かった。2022/08/21