朝日選書<br> 地質学者ナウマン伝 フォッサマグナに挑んだお雇い外国人

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朝日選書
地質学者ナウマン伝 フォッサマグナに挑んだお雇い外国人

  • 著者名:矢島道子【著者】
  • 価格 ¥1,799(本体¥1,636)
  • 朝日新聞出版(2019/10発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022630902

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内容説明

ナウマンゾウだけではなかった!
才能を見込まれて20歳で来日、東大の初代地質学科教授となり、日本の地質構造を明らかにしたお雇い外国人。来日直後にフォッサマグナを発見して以後、超人的な行程で調査に邁進し、滞日10年で現代に遜色ない高精度の日本地質図を完成させた。
帰独後、その功績は日本でかき消され、帰国後の人生も母国でほとんど知られていない。
同い年の弟子たちとのいさかい、寝取られた最初の妻をめぐる決闘、留学生森鴎外との論争含め、東大で地質学を学んだ著者が、図書館に眠る資料を掘り起こし、波瀾万丈の足跡と日本地質学の黎明期を描き出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まーくん

82
明治のお雇い外国人ナウマン。1875年(明治8)21歳で来日。初代東京大学地質学教授。ナウマン象くらいしか知らなかったが、実はフォッサマグナの発見、命名者。滞在10年で北海道を除く日本全土の地質図を完成させた。地形測量もしながら、まさに超人。その1/20万の地質図を見て驚く。現代日本の地質図と比べても遜色がない。日本近代地質学の父と言って過言ではないが、何故か正当には評価されてこなかった。学生に対する厳し過ぎる指導?日本人学者に交代させていきたい政府方針?ドイツ留学中の森鴎外との論争?…。その謎を探る。2019/11/06

つちのこ

29
ナウマンゾウとフォッサマグナの発見者というイメージしかなかったナウマンだが、わずか10年間の来日期間で成し遂げたその超人的な業績に改めて驚いた。来日してすぐにフォッサマグナと中央構造線の存在を提唱した見識は天才肌にも見えるが、根底には基礎となるフィールドワークあってのこと。日本列島の地質図は現在の物と比較しても遜色はなく、調査過程で岩手県三陸(ジュラ紀)、岐阜県赤坂(ペルム紀)、高知県領石(デボン紀)、岐阜県瑞浪(第三紀中新世)などの現在でも有名な化石産地に巡検し、更に示準化石の発見により⇒ 2023/07/11

さえきかずひこ

15
不世出の地質学者ナウマンの生涯を非常に丁寧な資料の読み込みと数度のドイツへの調査を重ねたうえで、冷静な筆致で丹精にまとめた良い評伝。1875年に極東の島国に弱冠21歳で到着してから、彼との離婚後には声楽家として生計を立てた妻と部下の不倫や、自身と同年代の東大の教え子との不和など人間関係に苦労しながらも、全国を精力的に歩き回り、10年間で本邦初の詳細な地質図を完成させ帰国するが1899年に学者を引退し不遇な晩年を閉じるまでを描く。日独両国で忘れ去られている彼の再評価を待望する筆者の情熱が本書には溢れている。2020/03/29

月をみるもの

15
20代の時に日本にやってきて、フォッサマグナや中央構造線を発見し、たった10年で日本全体の地質図を完成させたナウマン先生。近くにいたほかのお雇い外国人だけでなく、近い分野にいたモース/ライマンとの駆け引きや、ガウランド・ミルンとの交流も興味深い。お雇い外国人の給料がめちゃめちゃ高かったので、できるだけ早く留学生を帰国させ、契約を打ち切りたいという明治政府の思惑と、万国地質会議までになんとか日本全域の地質図を完成させたいナウマンのせめぎあい → つづく2020/02/10

やま

11
ナウマンゾウやフォッサマグナで知られるナウマンさんも、その名前だけでどういう人かは全然知りませんでした。明治時代に若くしてドイツから日本に来て、10年で日本の地質を研究し明らかにしていった。日本各地に足跡があるのに、今ではすっかり忘れられてしまっている。ドイツに帰国後の処遇にも心穏やかでないものを感じてしまいます。ナウマンさんの生涯を丁寧に解き明かしてくれています。日本でももっと評価枯れてもいい人物ですね。2020/03/18

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