内容説明
轢死した作家・柏原のデビュー作『毒殺倶楽部』。それは、毒に魅了された５人の仲間が創作した話をまとめたものだった。しかし、「毒殺倶楽部」が実在するという噂が広がり始め……。第16回鮎川哲也賞佳作、待望の文庫化！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
82
第16回鮎川哲也賞佳作。大幅加筆修正されて今になって刊行された理由は分からないけれど、凝った作りで捻りもありミステリらしい面白さを味わえた。毒殺をテーマにした物語を披露し合う毒殺倶楽部。そのメンバーの一人が勝手にその内容を小説化したところ彼は轢死してしまう。それは他のメンバーからの復讐なのか。読み易いし、メンバーの怪しげな謎にぐぐっと引き込まれた。そしてなるほどと唸らされた真相。ノームに関しては幾つかモヤモヤ感が残った感も。作中作の作中作というこんがらかりそうな構成をきっちり仕上げる巧さを感じさせた作品。2019/10/08
坂城 弥生
51
物語の中の人が実在する人物なのか？そこから始まったのが、二転三転していき、真相まで導かれた。タイトル通り「毒殺」がずっと根底にあったのもスゴい。2021/01/24
優希
43
逆転に次ぐ逆転に戸惑いました。毒殺が全てを物語るのですね。2022/09/09
cinos
42
一番驚愕したのは東京と福岡の女性二人で執筆しているという作家紹介。鮎川賞佳作の13年ぶりの発行。『毒殺倶楽部』という作品を書いた作家が殺されるが、「毒殺倶楽部」は実在しているのか。作中作に記事や原稿が絡んできて現実と架空が入り混じるのが面白かった。2020/01/09
momi
41
面白い趣向だった！！人の殺意が芽生える瞬間をよーく観察しないとね！現実と虚構が複雑に入り乱れるから一気に読まないと分かんなくなるかも…。だけどなかなか面白かったと思います。2020/03/11
