内容説明
ローマ帝国の〝前線基地〟を源流とするオーストリア。神聖ローマ皇帝としてヨーロッパに君臨したハプスブルク家、モーツァルトやウィーン世紀末芸術など華やかな歴史に彩られる一方、オスマントルコの侵攻、第一次世界大戦敗北後の帝国解体、ナチスドイツによる併呑、連合国軍による分割統治といった苦難も重ねてきた。首都ウィーンだけでなく、ザルツブルク、ティロルなど魅力溢れる九つの州からたどる、一千年の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
76
平凡な感想になってしまうが、とてもオーストリアに旅してみたくなった。文化的な土壌がとても豊かだし、教会建築も素晴らしい。その歴史の裏には数多の血が流され、苦闘の限りを尽くして来た人々がいたということがわかっただけでもよかったと思う。歴史的に魅力的な人物の挿話も面白かった。西洋史は戦乱ばかりでつらいけどいろいろなことに想いを馳せられるから好きだ。2019/08/20
サアベドラ
32
現在の9つの州からたどるオーストリアの歴史。2019年刊。著者の専門はオーストリア近代史。良いところは、あまり日本人に馴染みのない州の歴史や隣接諸国との民族問題を知ることができる(例えば東部ブルゲンラントはハンガリーと、南西部フォアアールベルクはスイスとなど)のと、読書案内が充実しているところ。悪いところは、情報の取捨選択に難があり非常に長く感じる、文体が必要以上に重苦しい、通史としていくつか重要事項が欠けていてオーストリア史入門の体をなしていない、など。通読するより、興味のある箇所の拾い読みでいいかも。2019/08/16
健
21
めちゃくちゃ面白かった。「物語」シリーズの中でも最高傑作と言える。当初「現在のオーストリアの広さはかつての帝国の1/8程度なのに、その歴史を9つの州の歴史に分けて記述して面白いんだろうか?」と敬遠していたが、神聖ローマ帝国同様、中欧は様々な諸侯の集合体が帝国を形成していたわけで、一読し、これ以上にオーストリアの歴史を魅力的に記述する方法は無い気がしてきた。散りばめられたエビソードにはどれも物語性があって面白く、各州とハプスブルク家の関係も興味深い。縮小した共和国の悲哀も感じられて、繰り返し読みたい作品だ。2023/03/13
洋書好きな読書モンガー
19
オーストリアをハプスブルク家1本で説明せず8つの地方と首都ウィーンの9つに分けて各々の歴史を説明している。興味深い。日本も地方毎に特色と独自の歴史がある様に、地方毎書いてると詳しくわかって良い。多民族国家にも興味あるのでそっちの本も探して読んでみよう。2025/03/18
coolflat
18
“時系列の記述ではないだけに、読者にとっては、時代の流れを繰り返し辿るような感覚を拭えない部分があるかもしれない”と記述しているように、州ごとに歴史を追う手法をとっているのでわかりにくかった。23頁。オーストリアを一つの国家としてまとめ上げたのが、1459年、ハンガリー国境の要塞都市、ヴィナー・ノイシュタットに生をうけたマクシミリアン1世である。マクシミリアンは、1477年、ブルグント公国の女系相続人マリーと結婚、これによって、19歳にしてすでに、その後、ハプスブルク家を反映へと導く婚姻政策の先駆をなした2020/12/05
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