内容説明
炎と煙が払暁の空を赤黒く染め、本能寺を焼く。天下人・信長を討たんと光秀の刺客どもが刃を振るう地獄で、森蘭丸は信長の首を独り護る。だが追手から逃れようとしたその時、炎が身体を呑み込んだ。目覚めると――右半身は美貌のまま、左半身が醜く焼け爛れていた。ここで果てるわけにはいかぬ。蘭丸は光秀側の安田作兵衛を抱き込み、ある計略を成し遂げんと……復讐に燃え盛る美青年の計略の行方。激しき戦国悪漢小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルちゃん
33
本能寺の変の新解釈✨衆道色が強いので、うーん。と思う方もいるかもしれないが、要所要所で、バチッバチッと史実に合ってくる感じが私は好きだった。信長の小姓として従えた蘭丸だが、信長に抱いていた感情や、蘭丸が求めた愛情とは、、、と考えれば、何とも切なくこの物語を終えました😞✨あっさり読めて余韻が良いし、なんと言ってもこの表紙!カッコいい~😭❤️ 石田三成や島左近も登場👏✨2020/06/24
サケ太
21
ざっくり言うと“トゥー◯ェイス”になった蘭丸の復讐劇。本能寺の変の裏の姿。美しさとおぞましさを融合させた蘭丸(乱丸)。展開のスピーディーさと史料を元にしつつ物語に落とし込んでいるのが面白い。意表を突かれる部分もあり楽しかった。安田作兵衛という人物が異様ながらも魅力的。どこまでも純な男だった。2019/10/26
ポラオ
1
●本能寺の変で半分火傷で炭化し半分美貌を保つ異形となった森蘭丸という設定が自分好みで面白かった。作者の耽美な筆致も引き込まれる。絶対そんなことはあり得たわけないんだけど、小説として本能寺の変の真相やそこに至る心情に納得できてしまうのは森蘭丸という歴史上の超有名人物のキャラクターの強さゆえか。2023/10/05
もってぃ!
0
3.5/5.0 ★★★☆2023/08/15
nur1202
0
本能寺の変で蘭丸が生き残っていて、というところから始まる、まぁ、本能寺ものではあります。 思ったより、小説内で描かれる期間が短くてびっくりみたいな。 ちょっと、変身もの感あり。 意外なオチで、ちょっと好みは分かれるかも。 2020/10/15