内容説明
ぐぅーん、ぐぅーん、ぐぅーん。不思議な音で鳴る山「しんの」では、松がぐねぐねとねじ曲がり、季節外れの桜が咲き乱れる。小学四年生の河守亜菜はこの山で突然姿を消した。彼女にいったい何があったのか。大人になって東京で暮らす元同級生のぼくは、しんのがまた鳴っているということを知り、集落に帰ってくる。明日から今までとは全然違う人生が始まってしまうかもしれない、という思いを胸に。昨日と今日と明日がつながっているなんて、誰にも言えない。多様なジャンルを横断しつつ、そのすべてに印象深い物語を刻み込み続ける著者が放つ、少年小説であり、恋愛小説であり、奇妙な味のクロスオーバー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
93
★★★★☆20087【花や今宵の (藤谷 治さん)】平家が源氏に負けて、その残党が日本の至るところに逃げ隠れた。この小さな集落にも平家の末裔が潜伏していたのか。集落全体の半分近くが和田姓、家紋も全て同じ七曜。七曜は桓武平氏から派生した和田家特有の家紋、貴族か武家を先祖に持つ事を示している...そんな集落の平家伝説をテーマとして夏休みの自由研究を共同でやる事になった小学四年の僕と彼女。調べるうちに平家物語にある歌『行き暮れて木の下陰を宿せば花や今宵の主ならまし』ここに説明のつかない謎がある事が分かる。だが!2020/08/15
三代目けんこと
33
「行き暮れて木の下かげを宿とせば花やこよひのあるじならまし」(伝・平忠度)ラストについては色々な意見があると思いますが、自分は好きです。これで良かったという余韻に浸りたい…。2019/12/19
エドワード
24
平家の落武者伝説のある村で、少女が神隠しにあう。少女―河守亜菜と一緒に<しんの>の森に入った鳴海智玄は、亜菜を探すために十九年ぶりに森へ入る。平忠度の和歌が鍵だ。さりげなく描かれる、小さな村の小学校生活、子供たちの絆、村落共同体の光と影、東京の高校へ通う智玄の青春のさびしさ。それにしても「時空を超えた道に亜菜はいる!」村一番のインテリ、亜菜の父が主張する、朔旦冬至論の荒唐無稽さがすごい!果たして謎は解けるのか?ふた通りの結末が用意されている。甘いけど、小学生のほろ苦い初恋の味がする方が、私は断然好きだ。2019/11/16
ムーミン
17
不思議な世界。でも温かな気持ちで読めました。2024/09/28
nekoさん
5
これはダメだ。それなりにワクワクしながら読み進めたのに。ラストが意味不明。作者さん、どう終わらせるか決めてから書こうよ。2021/01/16
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