文春e-book<br> 黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄

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文春e-book
黙示録 映画プロデューサー・奥山和由の天国と地獄

  • 著者名:春日太一【著】
  • 価格 ¥1,700(本体¥1,546)
  • 文藝春秋(2019/10発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163911083

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内容説明

80年代、90年代、低迷する日本映画界で一人気を吐いたスタープロデューサー、奥山和由。
名監督、名優たちとの秘話を語り下ろす!

80年代~90年代、低迷していた日本映画界にひとりのスタープロデューサーが登場した。奥山和由だ。
若くして『丑三つの村』や『海燕ジョーの奇跡』など破滅的な男の姿を描いた衝撃作で鮮烈に登場すると、一転、
のちにハリウッドでリメイクされる『ハチ公物語』というハートウォーミングな大ヒット作を飛ばす。
その後も快進撃は続き、五社英雄監督と組んだ大作『226』、ビートたけしを監督に抜擢した『その男、凶暴につき』、
竹中直人の初監督作『無能の人』、監督と対立し、自らもメガホンをとった『RAMPO』、
佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平が共演した男くさいバイオレンスアクション『GONIN』、
今村昌平に2度目のカンヌグランプリをもたらした『うなぎ』など話題作、ヒット作を飛ばし続けた。

35歳で松竹の取締役になるなどわが世の春を謳歌するが、突然のクーデターで松竹を追われ……と
波乱万丈、毀誉褒貶相半ばの映画人生を送る奥山が自らの作品のすべてを語る。
信じられないトラブルの数々、名監督との作品制作裏話、俳優たちの秘話などを語り下ろす。

聴き手は『あかんやつら』『天才 勝新太郎』『鬼才 五社英雄の生涯』の春日太一。
人並外れた熱量を武器に映画界をのし上がり、90年代の邦画をたったひとりで盛り上げ、
日本に映画プロデューサーという職業を認知させた男の最初で最後の語りおろし一代記。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bugsy Malone

72
奥山和由、その名は角川春樹さんと共に自分にとっては映画の革命児として強烈な印象を与えられた名前。奥山さんが著者に語り一冊の読み物となった本書、制作の裏話に松竹との確執、奥山さんの映画に対する想いまで、まったく1ページも欠かさない全てのページが興味深く面白い。後半での身につまされる様な松竹追放劇やバッシング、それでも繋がりに支えられ良い映画を作ろうとする奥山さん。かつて坂本龍馬に扮した武田鉄矢さんの叫びがダブります。「なんじゃっ!この日本(くに)は!...わしが変えちゃる!」。陰ながら応援しています。2021/05/19

ヒデキ

41
映画プロデューサー奥山和由さんの映画人生を奥山氏の語りで振り返る1冊です。 奥山さんの制作された映画は、リアルタイムや、ちょっと後で見る機会が多かったので、制作の裏側にある話がとっても面白かったです。 でも、自分が、この本を読んでいて、奥山さんの映画界への改革が、システム的な面に重きを置いているように感じてしまい、独立系のプロデューサーの方の狂気に満ちた雰囲気とは、違うものを感じてしまいました。2021/07/23

ばんだねいっぺい

33
 監督ばかりに注目して、映画プロデューサーという肩書きを知らなかったが、なんとハードなことか。個人的には、「その男、凶暴につき」が歴史のパズルによっては、あの人になっていたかもというのにいたく興奮した。横から見ると追放劇になるのも、致し方ないよなぁという気もする。映画界と配給会社の内情も見え、激烈な個性の俳優や監督のエピソードもあり、これは、邦画ファンの必読書になる予感。 2019/10/14

Isamash

30
聴き手・構成・春日太一(時代劇映画史研究家)2019年発行書籍。映画プロジューサー奥山和由への合計25hrに及ぶインタビューをまとめたもの。残念ながら1982〜2022年に渡る奥山プロデュース映画(リストでは106)は2つ(ソナチネ、うなぎ)しかみたことが無かったが、映画への熱い思いや前向きなアイデア、更に監督(深作欣二や北野武,等)への尊敬が迸しっていて感動させられた。この419ページ著作をまとめたあげた春日氏に敬意を覚えるとともに、彼プロデュース作を是非みたいとも。社長の父親も一緒の松竹追放劇も興味大2023/10/23

ぐうぐう

28
春日太一を聞き手に、奥山和由が自身のプロデューサー歴を振り返る。奥山と言えば、1998年の衝撃的な解任劇の記憶が強烈だが、本書はその解任劇の真相も赤裸々に明かしている(とはいえ、これはあくまでも奥山側から見た解釈であって、松竹側から見れば、また違った風景が語られるのだろう)。ただ、奥山の言葉に感化される以前に、冷静に俯瞰して眺めて見ると、松竹時代においても奥山は異端であったわけで、解任後の奥山の作品と、実はそんなに遜色がなく、奥山和由の映画人としての芯のブレなさがよく理解できるのだ。(つづく)2019/11/06

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