内容説明
世界の謎を解くSF小説を読むかのような、スリリングな哲学体験
――生命・情報テクノロジーが急速に進化し、広告化する現代において、いかに考え、いかに伝えるか。
「人生とは何ぞや?」と暗い顔して問うてみたり、学説を列記したりする。「そんな哲学、そろそろやめませんか?」というのが、本書の基本的なメッセージです。テクノロジーの飛躍的な発展によって、いま人間を取り巻く環境が大きく変化しています。常識や従来の考え方が有効性を失い、ビジネスをめぐる急速な変化に対し、最近企業では、根本的かつ普遍的な価値を問う「哲学的アプローチ」が注目、模索されています。
哲学と広告といえば、今まで重なることのない無縁の領域と見なされてきました。本書では、「コンセプトを創造する」という、フランスの哲学者ジル・ドゥルーズの言葉に着目して、広告と哲学の新たな可能性をとらえ直すことにしました。偉大な哲学者たちは魅力的なコンセプトを発明し、多くの読者(客)を獲得する卓越した広告マンでもあったのです。
若き俊英マルクス・ガブリエルが提唱する新実在論などの哲学の新しい潮流、ビッグデータを蓄積して人間の心と脳に接近する広告の趨勢、人類の未来予想も、本書のなかで探求しました。
さあ、ページをめくって、ほんとうの「哲学」をめぐる物語の旅へ出発しよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプリント
10
哲学者と広告代理店による対談です。 広告の手法と哲学を絡めた話が新鮮でした。 実学としての哲学が学べます。2019/11/10
AppleIce
5
哲学と広告の相性は実はいいのかもね。 大衆心理についての変遷や、難しい哲学の種類の話がポロポロ出てくる。 広告の方の内容は理解しやすいが、哲学側の方の話は所々難しいなぁ、と感じる部分も。2019/12/21
Yappy!
3
哲学と広告の共通的な部分をみながら、それぞれを好きに語る本。悪い意味じゃなくて、今の時代に無意識的に広告とか広報とか哲学とかマーケティングとか言葉を使うと、昭和の価値概念で進んじゃって、結局消費者から乖離する・・・という感想。 ブランドがとがると消費者のコミュニティに入れなくなる、絶対的な、強力な、唯一のような価値観だけでは膾炙せず、インタラクト=関係性、相互作用の中でそれぞれがそれぞれのその時の状況に応じた判断によって選択される状態・・・ ということで大きな転換点にある哲学と広告の在り方を考える話。2019/12/10
左手爆弾
3
興味深い話も含まれているが、なんというか、全体的に「製品」として問題があると思う。まず、「プロローグ」が謎。なぜか架空の対話になっているのだが、普通に序文をつければよかったのでは。あと、脚注部分の処理がなんだか適当で、一応それぞれの専門家が書いてる本という体なのに、国語辞典や用語辞典からそのまま抜いてきたような解説しか並んでいないのには少し手抜きを感じる。表紙もタイトルもサンデル本の二番煎じな感じがしてちょっとどうかと思う。この辺は、編集側の責任も大きいと思う。2020/06/22
Holly
2
概念をめぐる「広告」と「哲学」の交差点。 「人間」とひとくくりにしているものが、多様化しているのでは。一部の人間が「超人化」し、多数は「動物化」する。 シュミラークルが拡大すると、主体性も道徳も消失する。忘却なき記憶はただのジャンクの集まり。2020/08/16
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