内容説明
二歳になっても「あんた、いつまで飲む気だね」と言われながらも乳離れしようとせず、ニシキヘビに興奮し家にあったマムシ酒のヘビにうっとり。星が欲しくてしょうがなかった四歳は、その後あの「たまちゃん」と小学一年生の時に運命的に出会う──。人一倍ナイーブで、なぜかいつも悩んでいた幼年期。「まる子」以前のピュアな気持ちを初めて書き綴った、さくらももこの原点となる自伝エッセイ。
目次
おっぱいをやめた日
指を切った時の思い出
ひらがなの練習
乳母車から見た景色
お嫁にいった育ちゃん
町のふしぎ
もらった人形
心の声
大規模な心配
盗んだビーズ
ヘビの思い出
フラダンスへの想い
窓のおばあちゃん
大失敗
古い顕微鏡
雲の中に入った思い出
家の改築
小さいツルの思い出
セキセイインコが逃げた
ジュウシマツ屋開店の夢
折りヅルの世界展を見に行く
たまちゃんとの出会い
上松君のランドセル
松永君をぶった
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
真香@ゆるゆるペース
98
さくらももこさんの幼年期のエッセイ。ナイーブな性格がよく分かるエピソードが多く、他のエッセイと比べると笑いの要素はちょっぴり控えめ。でも、この感受性の強さや鋭い洞察力を持っていたからこそ作家という職業に就けたのだろうし、きっと天職だったのでしょうね。私自身も敏感でよく泣いている子供だったので、何だか昔の自分を見ているようで親しみが湧いた。それにしても、2歳の頃の記憶が残っているのはすごすぎる!2019/06/07
esop
75
気の毒だとも思うがおっぱいだけは譲れない。おっぱいがいらない人には、ヒロシのオナラを我慢してもらうしかない/一体どういうつもりでそんな事を言うのか。中学生になるで待てなんて、そんなに長い間、人が何かを待てると思っているのか/痛くないわけないじゃないか。慣れているから平気なわけもない。ぶたれたら、ぶった力の分だけ痛いに決まっている/理解から生まれた知恵は美しい/知識は役に立つ。でも道具にすぎない。それをきちんと利用できるのが知恵だ。知恵を得るには、いろいろなことに気づかなければならない2024/07/28
はる
62
「ちびまる子ちゃん」よりもっと前の時代の、幼児期のことを綴ったさくらももこさんのエッセイ。全体的に笑いは少なく、しみじみとした雰囲気。大人になればたわいのない事でも、気になって不安に感じていた子供の頃の思い出。その微妙な感情を巧みな文章で描き出す、さくらさんの文章力。好きなのは「たまちゃんとの出会い」「窓のおばあちゃん」「植松君のランドセル」。それにしても、さくらももこさんは幼児期のことをよくこんなに細かく覚えているなあ。2024/01/11
ぼっちゃん
49
二歳半くらいから小1くらいまでの幼少期を綴ったエッセイ。幼いころは毎日不安で悩み苦しんでいたとのことだが、それがうかがえるような「もらった人形」「盗んだビーズ」「大失敗」「上松君のランドセル」などだったかな。幼稚園の頃のことは私も何となく覚えているが、それより小さいときのことをこれだけ鮮明に覚えているってすごいな。2024/10/06
bura
48
さくらももこのエッセイを久々に読む。今回のエッセイは何と2歳の記憶から小1までの話!おっぱいをやめた日、心の声、大規模な心配、たまちゃんとの出会い、上松君のランドセル等々…。この人の記憶力とその時に感じた思いのスゴさにいつもながら敬服する。彼女の最古の記憶がかなり哲学的で全ての作品の根源になっている感があった。 *作者の独特の感性が好きで「富士山」も全巻楽しみました。2019/09/15
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